「ナンバ走り」は、古武術研究家・甲野善紀氏の著作や講演で周知が広まりました。

ナンバの特徴である「右手と右足、左手と左足を同時に前に出し、体をねじらない」動作は、多くの人が認知しているのではないでしょうか。
 
このコンテンツでは「ナンバ」の動きと末續慎吾選手のフォームについてまとめています。
 
(甲野氏の著書「古武術で目覚めるからだ」を参考にしています)

末續選手メダル獲得後のコメント しかし「ナンバありき」ではなく…

ナンバ走りが一躍知られるようになったのは、2003年8月の世界陸上選手権200メートルで、末續慎吾選手が銅メダルを獲得する快挙がひとつの契機でした。
 
メダル獲得後、末續選手は自身の走りについて次のように語っています。

腕振りを前後に振るという感覚ではなく、後ろから前に振るという感覚に変えてきました。
 
相撲のテッポウのように腰と一緒に腕を前に送る動きで、”ナンバ走り”のように腰と一緒に腕を前に送る動きで、“ナンバ走り”のような力の出し方なので、ナンバ的な腕振りと言ったんです。
 

このコメントが印象深かったためか、末續選手というと「ナンバをトレーニングにとりいれている」と連想されることがあります。
 
これは厳密には正しくありません。
 
末續選手が「ナンバ」を意識していることは確かですが、ナンバの動作を前提にトレーニングしているわけではないのです。

レース後半の乱れがちなフォームをナンバの動きで修正する

末續選手が最も重視したのは
 
「フォームが乱れ始めるレースの後半に、腰の振りに合わせて、後ろから前に腕を振っていく」
 
点であり、これをとりいれた結果がナンバのような走りになったのです。
 
「まずはナンバありき」ではありません。
 

 
銅メダルを獲得した世界陸上の2ヶ月前、2003年6月の陸上日本選手権・200メートルで末續選手は日本記録を樹立します。
 
この時、末續選手は次のようにコメントしています。

「ラスト50メートルでナンバを意識した」
「タイミングが合わせやすく、最後まで走りきれた」

「まずはナンバ」というわけではありませんが、ナンバの意識が末續選手の快挙を支えていたのは間違いありません。
 
ナンバはエネルギーの消耗が少ない動作として知られています。
 
短距離走だけでなく、マラソンなどの長距離走にも応用できる動作かもしれません。
 
(「古武術で目覚めるからだ」66ページを参考にしました)

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