現代はご当地マラソンが全国で開催されていて、一昔前に比べると市民ランナーの数も大幅に増加しています。
「始めてみようかな?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
「いつかはフルマラソンに!」と夢は膨らみますが、無闇やたらに走り始めるのはお勧めできません。
「ひたすら走る」というシンプルな競技とはいえ、やはりトレーニングにはセオリーがあります。
書籍やDVD、ネット情報やテレビ番組など、いまはマラソンの練習に関する情報はあらゆる媒体で入手できます。
ここではJAPANマラソンクラブ主宰・牧野仁さんが提唱する練習メニュー・トレーニングプランを、ランナーのレベル別に紹介します。
牧野さんは「5時間を切る!マラソン完走BOOK」などの著書があり、マラソンの指導経験も豊富です。
まずはマラソン経験が全く無い、ビギナー向けのプランを紹介します。
マラソンビギナー向けの練習メニュー
牧野さんは、マラソンビギナーには「まず自分の力を知ること」を勧めています。
初心者は自分の能力の天井がわからず、走るペースや、長く走ることで起きる自分の体の変化もわかりません。
そこで、牧野さんが初心者に指導する際、まず20~30mの距離を歩いてもらいます。
次に、ウォーキングで折り返し、以後折り返しごとにジョギング、ランニング、全速力とペースを上げていきます。
このトレーニングにより、自分にとってどれくらいの速さがウォーキング、ジョギングあるいはランニングなのかをまず把握します。「自分の力を知る」わけです。
そして、全くの初心者であれば、まずはウォーキングのペースで走る練習をします。
一定の距離をウォーキングで歩いたタイムを計り、その時間をかけて走っても良いですし、二人並んでしばらくウォーキングし、そのペースを保ったまま一人がジョギングに移行してもOKです。
このジョギングのペース(=ウォーキングのペース)でまずは長距離を走ってみましょう。できるだけ一定のペースをキープできるよう心がけます。
牧野さんによると、「実際のレースでも、ペースを一定に保つことができれば、それほど疲労はたまらない」そうです。
ここで、マラソンへの参加が決まった場合の、牧野さんお勧めの初心者向けトレーニングプランを紹介します。
レースが2月に開催されるとして、5ヵ月前の10月からのメニューの一例です。
目標:制限時間内に完走する!
10月
■60分以上のウォーキング
■持久力を身につける
11月
■60分以上のジョギング
■走れるようになったら、90分に伸ばす
12月
■15~20km走れるように挑戦
■時間は気にせず、距離を伸ばす
1月
■この月の終わりに30km走れるようになることが目標
2月
■距離や時間にこだわらず、軽めの練習で最終調整
トレーニングメニューは、各ランナーの体力や運動経験によって変わりますが、ひとつの目安として上のプランを参考にしてみて下さい。
次のページでは、中級者向けのプランを紹介します。
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