川村卓筑波大学教授が、著書「最新科学で身につける!ピッチングバッティングの技術」で大谷翔平選手のフィジカルについて解説されています。
次々と快挙を成し遂げる大谷選手は肉体面の何が優れているのでしょうか?
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最新科学で身につける!ピッチングバッティングの技術
※サンプルを読む・Kindle版あります
同書の10~11ページから一部を抜粋して紹介します。
前後左右にバランスが取れた素晴らしい筋肉のつき方 走る能力の高さが典型
大谷選手のフィジカルで優れているのはズバリ、筋肉のつき方です。
大谷選手のフィジカル面で素晴らしい部分は、190cm以上の高身長に対して非常に均整の取れた体つきをしている点です。
一言でいうと「バランスが優れている」ことになります。つまり左右均等に筋肉がついているのです。
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野球は”片側”の筋肉を多用する競技なのでバランスは崩れがちです。
例えばピッチャーはボールを投げる利き腕側を多く使います。
そうすると、利き腕側の肩周りが落ちやすくなります。なぜなら肩回りを多用することで肩甲骨全体の筋肉のボリュームがなくなり、肩甲骨が下がってしまうからです。
実際に高校生や大学生のピッチャーを見ると、「気をつけ」をした状態で片方の肩が下がっている選手をよく見かけます。
このような状態でプレーを続けたら故障しやすいということは想像に難くないでしょう。
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大谷選手の筋肉が均等であることは走る能力に表れています。
大谷選手のバランスのよさの象徴が走りです。
2021年のMLBのデータでは、MLB全選手のなかで大谷選手の一塁到達スピードば4位でした。
また2022年のデータでは一塁を駆け抜けるタイムで一位となっています。
身体が左右に偏った状態ではこれほどのタイムで走ることはできません。
大谷選手の場合は陸上選手並みにバランスが整っているため、このような結果が出せるのです。
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「バランスの良さ」は左右だけではありません。
さらに野球のプレーでは身体の後ろ側、例えばハムストリングやお尻周りの筋肉が重要になります。
その理由は後ほど紹介しますが、大谷選手の場合は身体の後ろ側に加えて、身体の前側の筋力も鍛えられています。
つまり左右に対して前後に対してもバランスよく筋力がついており、それによって走る際に股関節周りを非常にスムーズに大きく動かすことができているのです。
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