前のページで、マラソンにおける「脳力」についてお知らせしました。
 
ものすごく簡単には、「気の持ちよう」や「ポジティブ思考」で、マラソンの記録は伸び得る、という話です。


 
というのも、レース中に「もうダメ。走れない」「もう限界。ここでやめよう」と思っても、実際にはまだまだ走れるケースは存在するからです。

脳はウソをつく ストッパーを外すためには

T・Tアスリートクラブの堤健至コーチは、こうした現象を「脳はウソをつく」と表現しています。
 
エネルギー切れと思っても、100kcal程度のジェルをとるだけで、それから10km以上も走れることもあります。
 
つまり、「限界」「キツい」といった脳の訴えは「ウソ」であり、それはストッパーとしても機能してしまいます。その「ウソ」にだまされて走りを止めてしまっては、当然記録は伸びません。
 

 
つまり、マラソンで記録を更新するには、このウソ=ストッパーを意図的に外せる、あるいは気にしないよう訓練する必要があります。
 
これが脳トレであり、堤コーチはそのトレーニング方法も提唱されています。
 
キモとなるのは「すこしキツい」と思うトレーニングをすることです。
 
脳は、心肺機能や脚の重さでキツさを感じた時に、「もうやめよう」とウソをつきます。練習からその状態を体験することで、「キツくても大丈夫なんだ」と脳が学習し、レースでもストッパーがかからなくなります。
 
次のページから、その具体的なトレーニング法を紹介します。