落合博満さんが著書「決断=実行」で、中日ドラゴンズの監督に就任した際「肝に銘じたこと」を紹介されています。
同書の21~22ページから、一部を抜粋して紹介します。
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決断=実行
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監督でも「自分にできなかったことを勉強する」未経験の分野はコーチに
落合さんが肝に銘じたことはこちら。
監督としてユニフォームを着る時に、肝に銘じたのは次のことだ。
「自分ができたことを伝えるのではなく、自分にできなかったことを勉強する」
監督といえども、野球に関して「全て知っている」わけではありません。
指導者にとって一番怖いのは、教える立場になったからといって、自分が何でも知っていると勘違いしてしまうことだ。
これは、選手から何か質問された時、「それはわからない」と言っては指導者失格だろうと考え、「何でも知っていなければいけない」という誤った使命感による場合もある。
落合さんほどの実績があっても「知らないことはたくさんある」のです。
だが、20年の現役生活を送り、さまざまな経験を積んだからといって、私が野球について何でも知っているかと言えば、バッティングに関してさえ、まだまだ知らないことはいくらでもある。
そうなると、自分が経験してきたことしか伝えることはできない。
経験のないピッチングの指導は、信頼できるコーチに任せています。
私の場合は、内野守備や走塁についても腕のいいコーチからしっかり叩き込まれたという自負があるので、バッティングを含めて野手については自分の考え方を伝えることはできる。
だから、プロで経験したことのない投手の分野に関しては、森繁和をはじめとする投手コーチに任せた。任せる以上は、変なタイミングで口を出さないように心がけた。
任せるとは、そのコーチにも責任が生じる。ただ、最終的な責任は監督が取るということだ。
コーチとのやり取りを通じて、落合監督自身も成長を図っています。
毎日コーチからの報告を受けながら、時にはコーチとともにブルペンに足を運び、投手関するあらゆる知識をレクチャーしてもらう。
気づいたことがあれば、野手の立場からの見方や意見をコーチにぶつけ、議論することもたびたびあった。
そうやって、自分が知らないこと、できなかったこと、経験しなかったことについても見る目を養い、次第に自分でも考え、伝えられるようにしていかなければいけない。
コーチ、選手と積極的にコミュニケーションをとり、落合監督が自身も成長するよう心がけていたとわかります。
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