落合博満さんが著書「決断=実行」で、自身の調子がいいとき、相手ピッチャーがどのように配球をしてきたかを解説されています。

基本は「四球でOK」なのですが、打つ側である落合さんの心理も読んだ、なかなかしたたかな配球です。

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同書の154~155ページから、一部を抜粋して紹介します。

意図的に3ボールにする そこからの攻め方がキモ

手がつけられない落合さんに対して、バッテリーは「ほぼ敬遠」の方針をとっていました。

いい状態の時の私に対して、他球団は「四球で歩かせるのが一番いい」としていたという。 

それを踏まえ、経験豊富な相手バッテリーは、際どいコースを突きながら意図的にカウント3ボールにするという攻め方をしてきた。

ピッチャーとキャッチャー

とはいえ、あっさりフォアボールにするわけではありません。

どんなに状態がよい時の私でも、3ボールから投げ込まれたストライクを無闇に打つことはしなかった。それで3ボール1ストライクとなる。

次は際どいコースにストライクを投げてくるが、もともと四球でいいとアウトコースいっぱいを狙われたら、やはり私は手を出せない。

カウントは3ボール2ストライク。 

「四球でもOK」から2ストライク取れました。ここで勝負をかけます。

初球から慎重に攻めても私を2ストライクに追い込むことは至難の業なのに、この攻め方では比較的楽に2ストライクを取れるのだ。 

そして、6球目にその投手のウイニング・ショットを投げ込む。

打者の心理も逆手に取った、上手い攻め方だと感心した。

ピッチャー

投手が最も得意なボールを投げるのですが、それで簡単に打ち取られる落合さんではありません。

余談だが、そういう攻め方をされても、ウイニング・ショットの一球をつかまえるのが私の仕事だったのだが…

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