剣道には、古くから「三つの許さぬところ」という教えがあります。
 
これは打突の機会を表したもので、打つ側からすれば有効打突を奪うチャンス、打たれる側にとっては「隙」になります。

(このコンテンツは「心・技・体を強くする! 剣道 練習メニュー200(Amazon)」184~189ページを参考にしています。本書では画像つきで解説されています)
 
言い回しには若干の違いがあるようですが、香田郡秀八段は
 
・起こり
・居着いたところ
・技を受け止めたところ

 
の三つを挙げられています。
 
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相手に「許さぬところ」が見られたらそれは「隙」なので、そこを突ける技を出し、有効打突を狙いましょう。
 
それぞれについて以下に紹介します。
※記事中の画像は香田八段の教材「剣道上達革命」です。

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「起こり」をとらえる出ばな技の打ち方

「起こり」とは相手が動こうとするところ、技を出そうとする瞬間のことです。
 
この「起こり」をとらえるのが出ばな技であり、攻め合いの中から相手の動きと心をよく読み、出てくる瞬間を逃がさず打っていきます。

相手を誘い出して出ばな技を打つ

相手を意図的に誘い出せれば、相手の「起こり」を出ばな技でとらえやすくなります。
 
ここでは、誘い出し方の例をひとつ挙げます。
 
◆右足を前に出す
間合いを詰める時は身体全体で攻めるのが基本ですが、相手を誘い出す場合は、遠間に構え左足を固定したまま、右足をゆっくり出します。
 
間合いが詰まったと思った相手は、出鼻を狙って出てきます。
 
その「起こり」の瞬間を狙って、反対にこちらが相手の出鼻を押さえて打つわけです。

居着きを生む四戒

「居着く」とは、体勢か崩れ、身動きがとれない状態をいいます。
 
相手を居着かせるには、「四戒」を相手に抱かせましょう。すなわち「驚(おどろき)」「懼(おそれ)」「疑(うたがい)」「惑(まどい)」の四つの念を生じさせるのです。
 
これらが生じた瞬間は心に隙ができ、居着いてしまうことになります。

相手を居着かせる方法

相手を居着かせることができれば、こちらが有利になります。香田八段による、居着かせ方の例を挙げます。
 
◆剣先の攻めで相手を居着かせる
遠間で構え、相手の竹刀に自分の竹刀を上から乗せ、押さえていきます。
 
相手の動きを止め、居着いたところを、相手が体勢を立て直す前に打ちます。
 
押さえる時は、竹刀の重みを使って上から乗せるイメージを持ちましょう。
 
 
◆一気に間合いを詰めて居着かせる
継ぎ足と体攻めで相手を居着かせ、体勢を立て直す前に打ちます。
 
右足を大きく踏み出し、左足を小さく継いで一気に間合いを詰めることで相手を驚かせるのです。相手が居着いたら、体勢を立て直す前に打ちましょう。
 
左目を突くように剣先を動かすと、驚きと恐れから居着きやすくなります。
 
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「技を受け止めたところ」と応じ技

当然といえば当然のことですが、相手からの面を受ければ、胴の防御がおろそかになり、小手や胴を防げば面が空いてしまいます。
 
剣道には「懸待一致」や「攻防一致」という言葉があり、攻めと守りは一体でなくてはいけません。
 
応じ技では、相手からの技をかわす、受ける、抜くなどして相手の体勢を崩し、すかさず打ちます。
 
この間髪入れない反撃が大事で、かわすだけ、受けるだけではいつまでたっても一本を奪うことはできません。
 
逆に相手が面や胴、小手を受けたら、必ずどこかに打突できる部位があるはずです。相手が攻撃に移る素振りをみせなければ、続けてその部位への有効打突を狙いましょう。

相手を誘い出して応じる

わざとこちらの打突部位を空け、隙を作ることで相手を誘い出し、受けた後応じるのも効果的です。
 
空けた部位によって、相手の技の予想ができるので、応じるのが容易になるのです。
 
一例を紹介します。
 
◆面に隙を作り受けて応じる
剣先を低くして、面に隙を作ります。
 
相手が面を打ってきたら、それを受けて前腕を返して、返し胴を打ちます。
 
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