香田郡秀八段は、相手の剣先の状態に応じて打突の方針を変えます。
このコンテンツでは、剣先の高低と開き方に応じた一本を取り方を紹介します。
(このコンテンツは「心・技・体を強くする! 剣道 練習メニュー200」(Amazon)190~195ページを参考にしています。本書では画像つきで解説されています)
剣先の高い相手から一本をとるには
剣先の高い相手への攻め方例を二つ紹介します。
相手の竹刀を捲き落として隙を作る
竹刀が立っていると、竹刀と竹刀を密着させるポイントが見えやすいため、剣先が高い相手に対しては、捲き技が有効です。特に裏からの捲き落としは効果があります。
剣先が高い相手を攻めつつ、竹刀を裏にまわします。
相手の竹刀を右方向に強く捲き落としたら、構え直す前に打ちます。
竹刀を表から払って隙を作る
相手の剣先が高い場合、相手が小手を誘っていることがあります。こうしたケースでは、表の払いも有効です。
確かに小手が打ちやすい位置にありますが、安易に小手を打たず、相手の裏を書いて面を狙います。
剣先が高い相手に対し機会を見て間合いを詰め、竹刀を表から払った後、相手が構え直す前に面を打ちましょう。
剣先の低い相手から一本をとるには
剣先が低い相手への対処法を二つ紹介します。
竹刀を払い落として突きを狙う
剣先の低い相手は、面を誘っている可能性があります。
竹刀を上から払い落とし、小手や胴を打たれないようにしてから突き垂をまっすぐ突きます。
竹刀を上から払い落としたら、左足を引きつけて体勢を整えましょう。
片手面で一本をとる
相手の剣先が低い場合、片手技も有効になります。
左斜め前に身体をさばきながら間合いに入り、右手を離して腰の位置に持って行き、竹刀を振り上げます。
片手面は奇襲的要素もあり、とっさの反応が難しくなります。打突の際はしっかり刃筋を立てましょう。
剣先が開き気味の相手から一本とるには
剣先が開き気味の相手は、面を誘っている可能性があります。
これに対応して小手、面を打つ攻め方の例を紹介します。
竹刀を裏から払って小手を打つ
剣先が開いている相手を攻めつつ、竹刀を裏にまわし、竹刀を払いあげます。すかさず刃筋正しく小手をとらえましょう。
表からではなく裏からせめて竹刀を払いあげ、相手が困惑しているうちに小手を打ちます。
竹刀を裏から押して小手ではなく面を打つ
相手の竹刀を裏から右へ押し、小手を打つ素振りを見せます。
相手が小手をかばおうと剣先を再び開いた瞬間に竹刀を振り上げ、剣先を表に戻して面を打ちましょう。