このコンテンツでは、相手の剣先の動きに対応して一本を取る例を紹介します。
 
香田郡秀八段の
 
・相手の剣先の高さによって、狙う部位を変える
・相手の手元の”硬さ”に対応する

 
方法をまとめています。

(このコンテンツは「心・技・体を強くする! 剣道 練習メニュー200」196~201ページを参考にしています。本書では画像つきで解説されています)
 
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剣先の上下の動きに対応して一本を取るコツ

相手によっては、こちらが攻め込んだ時に剣先を上または下に動かすクセを持っていることがあります。
 
その動きに対応し、有効打突を取りやすくする狙い所の例を紹介します。

攻めた時に剣先が上がる相手から一本をとる

攻めた時に剣先が上がるのは、小手に隙ができやすいため大きな弱点といえます。
 
遠間で構え合った状態で、素早い足さばきで攻め入ると、相手の剣先が反射的に上がることがあります。
 
そんなときはすかさず、小さい振り幅で小手を狙い、刃筋正しく物打ちで小手を打ちましょう。

攻めた時に剣先が下がる相手から一本をとる

警戒心が強い相手の場合、間合いに入って攻めると剣先が下がることがあります。
 
面打ちのチャンスですが、まっすぐ面打ちに行くのではなく、まずは相手の竹刀を上から押さえ込んで竹刀を殺します。
 
その後左足を蹴り出して面を打ちましょう。

手元の硬い相手から一本をとる

手元の硬い相手は、剣先を動かすとすぐに戻そうとする傾向があります。
 
これを利用して一本をとりましょう。
 
二つのやり方を紹介します。

中心を攻めて隙を作る方法

遠間で構えた状態から、中心を制しつつ攻め入ります。
 
相手が中心を取り返そうと剣先を戻してくる瞬間に、竹刀を振り上げます。
 
すると相手の剣先が中心から外れて隙ができるので、その間を見逃さず小手を打ちます。

竹刀を張って隙を作る方法

竹刀を「張る」とは、腕の力で竹刀を払うのではなく、手の内を使って竹刀を軽く打つことです。
 
一足一刀の間合いで構え合い、相手の竹刀を張ります。
 
相手が剣先を戻そうとする瞬間に竹刀を振り上げ、相手の竹刀が中心から外れたら、すかさず小手を打ちます。

手元の軟らかい相手から一本をとるには

手元がやわらかい相手に対しては、ちょっと工夫が必要です。
 
何も考えず攻めると反撃を受けることもあります。

こちらもやわらかく攻める

手元のやわらかい相手は、うかつに攻め込むと逆に隙をとらえられてしまいます。
 
こういう相手には、左手を主に使ってこちらもやわらかく攻め、打突につなげます。
 
一足一刀の間合いで構えたら、左手でやわらかく攻めるつもりで中心をとっていきます。
 
相手の剣先が中心から外れたら、そのまま面を打ちます。

相手の竹刀を強く叩いて隙を作る

遠間で構えてみて、相手の手元がやわらかかったら、相手の竹刀を上から強く叩いてみましょう。
 
相手の剣先が通常よりも大きく外れるので、相手が体勢を立て直す前に素早く打突します。