かつて女子マラソンは高橋尚子選手や野口みずき選手らが一時代を築き、ブームと呼べるほどの人気を得ました。
 
しかし2010年代の終わりあたりから、女子マラソンの不振が指摘されるようになります。


 
この理由について、雑誌「週刊新潮」に分析記事がありました。
 
以下に一部抜粋して紹介します。
 
(このコンテンツは雑誌週刊新潮2019年3/21号124ページを参考にしています)

どちらが正しい?スピード練習と走り込み

記事では、元中日新聞編集委員でスポーツジャーナリストの満薗文博さんのコメントが紹介されています。

ある時期から、”アフリカ勢に勝つには、走り込みではなくスピード練習が大事”という考えが指導者に浸透したのです。
 
それ以降、月に1000キロ走り込んでいた高橋のような選手がいなくなり、日本マラソン界は男女とも長いトンネルに入ってしまいました。
 

こうした考え方に、異を唱える人もいました。

ただ、瀬古利彦さん(日本陸連強化委員会マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)は一貫して”走り込み”の重要性を説き続けた。
 
それが男子マラソン界の若手指導者に段々と浸透し、原点回帰、つまり”走り込み”が見直されるようになったのです。

その結果、月に1000km走る大迫傑選手は日本記録を更新し、2018年12月に福岡国際マラソンで優勝した服部勇馬選手も走り込みを増やして飛躍しました。

結局、昔の人の方法が理にかなっていたということですね。
 
女子では、Qちゃんを育てた小出義雄さんが瀬古さんと同じことを言い続けています。
 
その結果、女子の世界でも変化が現れ、最近は”もっと走りたい””走らせたい”という選手や監督の声が聞かれるようになってきました。

一時的に”不振”であっても、正しい強化法の採用により今後は記録が向上するのではないでしょうか。