かつてオリンピックの正式種目だった五種競技(ペンタスロン)は、
走り幅跳び 円盤投げ 200m 1500m やり投げ
の五種目を一日で行う競技でした。
五種競技の開催を提案したのはクーベルタンなのですが、当初彼が考えていた種目は全く別のものでした。
その種目とは
馬術 射撃 フェンシング 水泳 中距離走
の五つだったのです。
これはナポレオン時代に、ある騎兵将校が偵察と戦況報告を命じられた際の故事に基づいています。
つまり、馬で敵陣に乗り込み、途中の敵を銃と剣で倒し、川を泳いで渡り、丘を越えて走り抜けたというエピソードです。
しかしこれらの種目ではあまりにも多彩で、競技者も少なく施設の運営も困難だろうと判断され、冒頭の五種目に落ち着いたのです。
現在近代五種は行われていませんが、十種競技(デカスロン)は04年のセントルイス大会から採用されています。
いくつかの種目変更が行われましたが、現在は
一日目
100m 走り幅跳び 砲丸投げ 走り高跳び 400m
二日目
110m障害 円盤投げ 棒高跳び やり投げ 1500m
というスケジュールで実施されています。
このコンテンツは雑誌「週刊新潮」2016年2月4日号71ページ「オリンピック・トリビア」を参考にしました。