ランニングは、硬い地面からの衝撃を受け続ける競技なので、脚の骨は大きな負荷を受けます。
 
特にマラソンなどでは、その負荷が長時間発生することになり、故障や不調のリスクは高まります。

こうした競技特性から、ランニングは極めて一般的な運動ながら、故障のリスクは比較的高い競技です。
 

 
ランニングで起きやすいアキレス腱と足の裏のケガについてまとめます。
 
(このコンテンツは雑誌 Tarzan (ターザン)2015年10/22号(Amazon)58~59ページを参考にしました)

アキレス腱炎

ふくらはぎの腓骨筋と、その深部にあるヒラメ筋の二つで構成されている大きな腱がアキレス腱です。
 
アキレス腱は、ランニングに限らずスポーツ全般で最も故障が発生しやすい箇所です。
 
ランニングでは走り始めた直後に痛み始めるケースが多く、体温が上がってくると痛みも軽くなっていきます。
 

 
アキレス腱炎の多くは腫れを伴い、発症してしまった場合は準備運動に時間をかけましょう。
 
競技を続けるならアキレス腱に痛みが出ない動作に限定するか、競技そのものをやめてアキレス腱への負担を減らすなどの対処が必要です。
 
踵が高いシューズはアキレス腱の張力を減らしてくれます。
 
ちなみに、踵で接地すると腱の外側が緊張し、足全体の接地では腱の内側が緊張します。




足底腱膜炎

文字どおり、足の裏に発生する炎症です。
 
足底腱膜は、踵の骨から足の5本指の底面に広がっています。ランニングでは接地から蹴り出しまでの動作で体重を受け、伸ばされます。
 
足のアーチが下がった状態から爪先に体重が乗って、蹴り出されるまでの過程では特に強い伸長力が加わります。
 
ランニングではこの過程が繰り返されるため、筋膜と骨のつなぎ目に細かい断裂が発生することがあります。すると、動作のたびに疼痛を感じるようになります。これが足底腱膜炎です。
 
予防・対策にはふくらはぎや足底腱膜のストレッチが効果的ですが、症状がひどい場合は局所に注射を行います。
 
シューズの摩耗や、弾力性の低下は足底腱膜炎のリスクを高めると言われています。