ウサイン・ボルト選手はじめ、陸上競技ではジャマイカ出身アスリートの活躍が目立っています。
ジャマイカの選手の強さの理由について、雑誌「週刊新潮」に記事がありました。
その理由はジャマイカ特有の”スプリンター遺伝子”と歴史的背景があります。
ちょっと昔の記事ですが一部を抜粋して紹介します。
(雑誌「週刊新潮」2016年9/1号(Amazon・PR)38ページを参考にしています)
ジャマイカの選手が陸上競技に強い理由 スプリンター遺伝子と歴史背景
まず、ジャマイカの選手の多くが「走るための遺伝子」を備えています。
ボルトなどジャマイカ選手のDNAを研究してきた英グラスゴー大学のヤニス・ビッラディス博士らの報告によれば、そのパワーの秘密は次のようなものになる。
「多くの選手が筋肉の強化、収縮を促すACTN3遺伝子を備えたRR型かRX型という”スプリンター遺伝子”を持っている。
これはスピードを瞬間的に上げる筋繊維を増やす。200人以上のジャマイカ選手の筋肉を調べたところ、こうした筋繊維は、オーストラリア選手が30%しかないのに対し、70%もあった。
このACTN3遺伝子による筋繊維の発達の違いはすでに胎児の頃から発現している。
ジャマイカやアフリカ系米国人の9割以上がRR型かRX型と判明した」
さらにはこのような歴史的経緯も関係しています。
かつて西アフリカなどアフリカの大地から1000万人の人々が奴隷として強制連行された。
その航路の途上で100万人以上が命を落とした。
カリブ海の奴隷貿易の最後の停泊地がジャマイカだった。
すなわち過酷な運命を生き残り、現在に至るジャマイカの人々は生命力においてタフ中のタフという素地がある。
過酷な状況を生き抜いた強靭な肉体に、走るための遺伝を装備しているのがジャマイカの選手と言えそうです。