足首の捻挫は、スポーツ傷害の中でも最も頻発するケガのひとつです。

指導者だけでなく、選手も正しい応急処置法を知っておくと、回復を早められます。
 

 
捻挫を起こした場合の応急処置としては、「RICE」が代表的です。以下にまとめます。
 
(このコンテンツは雑誌バドミントンマガジン2017年04月号(Amazon)83ページを参考にしています)

捻挫にはRICEで対応

RICEとは、捻挫に対して行うべき4つの処置の頭文字を並べたものです。以下に紹介します。
 
Rest(安静)
患部は動かさずに安静にします。固定できれば理想的です。
 
Ice(冷却)
ビニール袋や氷嚢に氷を入れて患部を冷やします。ビニール袋を使う場合は、氷と少量の水を入れ、自分の口を使って空気を吸い出したものを使いましょう。
 
患部に直接当てず、タオルなどでくるんでから患部に当てて冷やすのがポイントです。
 

 
Compression(圧迫)
腫れが予想される患部にスポンジなどを当て、テーピングや柔らかい包帯で軽く固定気味に圧迫します。
 
Elevation(挙上)
患部は台などに乗せ、心臓よりも高く上げて保持します。
 
内出血による腫れを軽減します。




捻挫の程度 三段階 回復に必要な期間は

捻挫の程度は大きく三つに分類されています。
 
1度(軽傷)
靱帯が切れてはいないが、引き伸ばされている状態(不全断裂)。自分で立って歩くことができる。数日で競技の練習に復帰できる。
 
2度(中等症)
靱帯が一部切れている状態(部分断裂)。足を引きずれば歩けるが、練習復帰までは2~3週間かかる。
 
3度(重症)
靱帯が完全に切れた状態(完全断裂)。自分で歩行できない。練習復帰までは6~8週間必要。
 
1~2度は、弾性包帯やテーピング、装具などを用いて固定し、保存的療法で対処します。3度は保存的療法や手術的療法を、患部の状態によって選択します。
 

 
「クセになる」といわれるように、捻挫を起こして伸びた靱帯は、時間が経っても緩いままの状態が続きます。再発防止には、テーピングやサポーターなどが効果的です。それぞれの特性を理解して適宜使用しましょう。
 
捻挫も他のスポーツ傷害と同様に、ケガをした直後から、どれだけ適切な処置ができたかで、回復度に差が出ます。
 
明らかに捻挫とわかる場合にRICEで対処するのはもちろん、「大したことはない」と思う場合でも、痛みがあれば整形外科を受診しましょう。