元WBC世界ミニマム級(当時ストロー級)チャンピオンの井岡弘樹選手の現役時代は、ボクシングでウェートトレーニングはタブーとされていました。

井岡選手は88年のWBC世界ストロー級V3戦で王座から陥落してしまいます。

ベンチプレスは当初40kgだったのが…筋肉で体重が増えるデメリットは?

「勝つためには何か違うことをする必要がある」と感じた井岡選手は、東海大学名誉教授の田中誠一教授に連絡をとります。

田中教授はトレーニング理論および運動生理学などスポーツ科学の第一人者で、ハンマー投げの室伏重信氏、ブロゴルファーの塩谷育代、宮里藍両選手らの指導を行っています。
 

 
田中教授の指導のもと井岡選手はタブーとされたウェートトレーニングを始めます。
 
最初ベンチプレスの重量は40kgでしたが、80kgまで上げられるようになりました。
 
スクワットも当初は100kgをどうにかクリアしていたのが、最終的には200kgまで達しています。
 
ウェートトレを行っていたことから、周囲からは好奇の目で見られていましたが、ミット打ちでも手応えが違ってきて、パンチ力は目に見えてアップしました。
 

 
筋肉をつけると体重が重くなります。
言うまでもなくボクシングでは体重のリミットがあります。
 
筋肉を落とすことなく脂肪を減らす必要があるのです。
 
そのため井岡選手は走りこみを徹底的に行いました。
 
これらのトレーニングを経て、91年12月17日、日本ボクシング史上3人目(当時)の2階級制覇をかけ、WBA世界ジュニアフライ級(現ライトフライ級)王者の柳明佑選手(韓国)に挑戦します。
 
柳選手は当時17連続防衛中。
 
下馬評は井岡選手が圧倒的不利でしたが、トレーニングによりアップしたパンチ力を12Rフルに発揮し、世界王者に返り咲き、二階級制覇を達成するのです。

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