2014年の仁川アジア競技大会における十種競技で、日本人初の金メダルを獲得した右代啓祐選手は、食事のバランスは意識しつつも、「身体が求めるものを食べる」主義です。
ラーメンとチャーハンという、アスリートにはあまり見られない献立も、「食べたい」と感じたら食べます。
食べたいものを食べてその後調節 野菜や多様なたんぱく質食材で
とはいえ、何も考えず無闇やたらと食べるわけではありません。
欲するものは食べるのですが、その後、どこかのタイミングで調節するんです。
たんぱく質やビタミンが足りなかったら肉、野菜を食べる。
合宿や遠征時、あるいはハードなトレーニングの後には、翌日も動ける身体をキープするため、運動中や寝る前にプロテインを補食として摂取します。
普段の献立でも、肉、魚、貝類、納豆、豆腐など多様な食品のたんぱく質を摂取するようにしています。
肉の食べ分け「体重コントロール」「疲労回復」「ご褒美」
肉を食べる際には、種類の選択に以下のような独自の基準があります。
■走りこんだり、追い込んだりして疲れた時は、ビタミンB1を含む豚肉
■「ご褒美」に牛肉
「タンパク質が足りないかな」と感じた時は、蒸したチキンなど、コンビニの惣菜を利用することもあります。
三食食べることはありませんが、あくまで補食としては「コンビニは利用価値が高い」のだそうです。
十種競技では、2日間で10種目を競います。
・一日目 100m 走り幅跳び 砲丸投げ 走り高跳び 400m
・二日目 110mハードル 円盤投げ 棒高跳び やり投げ 1500m
競技は瞬発系と持久系という、相反する身体能力を必要とする種目が混在しているだけでなく、跳躍、投てきといった能力まで求められます。
そのため、十種競技における勝者は「キング・オブ・アスリート」と称賛されることもあります。
この競技の第一線で活躍する右代選手を支えている要素のひとつは、一見無頓着に見えて実は緻密に考えられた食事なのでしょう。
このコンテンツは雑誌Tarzan (ターザン) 2015年 3月26日号 34ページを参考にしました。