このコンテンツでは、東京国際大学女子ソフトボール部・三科真澄監督のバッティング練習法を紹介しています。
 
打撃練習の中でも、ティーバッティング、トスバッティングの練習内容をまとめています。

(このコンテンツは三科監督の著書「ソフトボール 超実戦的練習ドリル 差がつく練習法」(Amazon レビューあり)の21~29ページを参考にしています)

三科真澄監督トス・ティーバッティング練習法

まずはちょっとしたコツをひとつ。
 
前わきを締めるスイングを身につける方法として、三科監督は
 
グリップを逆にしたスイング
 
を勧めています。
 
右打者であれば、右手を上、左手を下にしてグリップします。これを上下逆にしてスイングするのです。
 
これにより、前になる左ワキを締める意識を養えます。通常のグリップに戻した時にワキ締めたコンパクトなスイングができるようになるのです。

チェンジアップを打つためのティーバッティング

チェンジアップでタイミングを外されると、フォームを崩されてしまいます。それでもバットに当てるための練習です。
 
通常のティーよりもポイントは前に、高さは低めに、前足の膝の前あたりに投げます。
 
ボールが上がっている間に重心を前へ移動させていきます。ボールが落ちる前に打ちましょう。
 
体が開かないように我慢するのが重要です。体が開くとスイングに力がなくなります。前足の粘りで軸だけを前に移動させ、ギリギリまで体を開かない感覚を身につけましょう。
 
この時、頭から突っ込んではいけません。軸はブラさずに、膝を柔らかく使ってタイミングをとります。
 
上半身から打ちに行かず、体重移動をうまく使って下半身でボールを迎えにいくイメージを持つとうまくいきます。
 
ギリギリですくい上げるようにボールをとらえるバッティングになります。

バットの芯でミートするためのトスバッティング

バッターと投手は5mほど離れて立ち、投げられたトスをバッターが打ち返します。
 
実戦のように前から飛んでくるボールをよく見て、バットにしっかり当てる感覚を身につけます。
 
バットの正確なコントロールとスイングスピードの力加減を覚えるための練習です。
 
遠くへ飛ばしたり、強く打つのが目的ではありません。投げた人に丁寧に打ち返すよう心がけます。
 
軽く打つのは簡単に思えますが、前のヒジが上がったり、体の開きが早くなったりとフォームが崩れがちになるので注意が必要です。
 
まずは投げた人に正確に打ち返せるようになります。それができるようになったら、ワンバウンドで返す、ライナーで返すなど、打球に課題を加えていきます。
 
一塁側、三塁側に守備をつけると、打球の打ち分け練習ができます。引っ張り、流し打ちのバットコントロールを練習します。
 
トスは難しいコースに投げる必要はありません。山なりのボールを打者の真ん中に投げればOKです。それを打者はへその前で打ちます。
 
最初は下手投げで、慣れてきたら上手投げにもチャレンジしてみましょう。

ボールを呼び込んで打つトスバッティング

打者の後方2mほどの距離からトスを投げてもらい、このボールを打ちます。
 
ボールは後ろから来ますが、顔は前を向け、目線だけを後方に送ります。
 
ボールが視界に入ってからスイングするまでの反応とスイングスピードを速くすることでボールが捉えられるようになります。
 
通常とは正反対の方向から来るボールを打つので、最初はゆっくりトスを投げます。慣れてきたら、少しずつスピードを上げていきまょう。

前の肩を開かないためのトスバッティング

打者の背中側斜め前3mほど(打者側のファウルライン上あたり)からトスを投げ、このボールを打ちます。
 
打者の背中側からトスを投げると、ボールはベース上を斜めに移動します。内角、真ん中、外角のどのポイントで打つのかを意識してスイングしましょう。
 
この時、前の肩が開かないように注意します。打球方向はセンターより逆をイメージします。バットの芯でしっかりとらえて、ライナー性の強い打球を打つよう意識します。

マシンを使って速いボールを打つ

バッティングマシンのスピードを90~100kmに設定します。打者に合図を送りながらボールをマシンに入れて、打者はボールを打ちます。
 
速球に慣れ、球速に負けないようしっかり振り抜き、逆方向に強い打球を打てるようになるための練習です。
 
人が投げる場合と違い、マシンを使うと速度・コントロールが安定するので、数多く打てる利点があります。
 
バットのヘッドが押されたり、下がってしまうときは球速にスイングパワーが負けていることが考えられます。そんなときは球速を少し落とします。筋力やリストの強化を図り、速球に負けない体を作りましょう。
 
逆方向に強く打てるようになったら、フェンス越えを狙う、ファウルライン上に強い打球を打つなど、独自で課題を作って練習します。