卓球の水谷隼選手が自身の著書「打ち返す力」で、ラバーの貼り方およびラケットの扱いについて語られています。

水谷選手はラケットを「仕事のための道具」として、扱いには細心の注意を払っています。

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打ち返す力 最強のメンタルを手に入れろ
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同書の78~83ページから、一部を抜粋して紹介します。

水谷選手 ラバーの貼り替え方 湿気にも気を遣う

水谷選手は「仕事道具を雑に扱うな」として、ラケットやラバーを全て自分で管理しています。

卓球選手は、皆小さな頃からラケットのラバーを自分で貼り替える。
 
「日本代表選手なのだから、そんな面倒くさい作業は信頼できるスタッフに任せればいいではないか」と思う人もいるだろう。
 
最も大事な仕事道具であるラケットを人に触らせ、ラバーの保守管理を任せる選手がいたら、そいつは二流、三流どころか五流だ。
 

水谷選手がラバーを貼り替える工程は以下のとおりです。

ラバーは消耗品であり、だいたい三日に一回は自分の手で貼り替える。
 
前に使っていたラバーをはがすと、接着剤のノリがついている。15分ほどかけて、細かいノリをすべてきれいに取る。
 
表と裏のラバーをはがし、一切汚れがない状態まで掃除するのが最初の工程だ。

そして接着剤を塗り、ラバーを貼ってからもさらに注意を払います。

続いて液体の接着剤を垂らし、ラバーの両面に慎重に塗っていく。
 
接着剤が乾くまでに2時間かかる。この2時間が重要だ。
 
ラバーは湿気の影響をもろに受ける繊細な素材なので、乾かしている間は絶対に部屋でシャワーを浴びないし、風呂にも入らない。
 

 
自分のツバや細かいゴミがくっつかないように、机の中やクローゼットの一番遠いところなど、異物に触れない場所にそっと置く。

他の選手と相部屋で、パートナーがシャワーを浴びるときはどうするのでしょうか?

別の選手と2人部屋に泊まるとき、ルームメイトがシャワーを浴びたり風呂に入ることがある。
 
ラケットをちょっとでも湿気にさらすのは嫌だから、そんなときはコーチの部屋に行ってラバーを貼り、シャワーを使うのを遠慮してもらいながら、そのままコーチの部屋で2時間じっと待機する。

これだけ気を遣うのも、全てはラケットが仕事道具だからです。

ラバーを貼り替えるのは、練習や試合が全部終わったあとの夜間だ。夜11時とか12時に作業を始めると、ラバーが乾くのは夜中の1時とか2時になる。
 
中には接着剤の量や乾かす時間がまちまちで、適当にラバーを貼る選手もいる。
 
仕事道具をそんなふうに杜撰に管理するのは信じられない。
 
湿気まで注意深く気にし、自分の子どもの面倒を見るように丁寧に用具を扱えば、試合中のボールの跳ね方や球筋は変わってくる。
 
なのにラバーの貼り替え中、部屋の湿気まで神経質に気にする選手は私くらいしかいない。「みんなそうすればいいのに」といつも思っている。
 

水谷選手はラケットの持ち運びにも注意しています。


ラケットは唯一無二の仕事道具 持ち運びにも最新の注意を

当然のことながら、持ち運びでもラケットを大切に扱います。

私にとってラケットは、車や腕時計、貴金属なんかよりもはるかに大切だ。だから他の選手が使わない鉄製の堅いケースに入れて、とても大切に保管している。
 
そのケースをどこかに置き忘れるなんてありえない。
 
遠征で空港から空港へ飛ぶときも、国内を激しく移動するときも、肌身離さず大切に持ち歩いている。
 

木製のラケットは一本一本に個性があるので、自分に合うのを見つけ、キープするのは大変です。

ラケットは木で作られているものなので、まったく同じものは世界に一つもない。
 
同じメーカーの製品であっても、ボールの弾みは全然違う。繊細なタッチの違いは卓球選手にしかわからず、自分に会ったラケットを探すまでに長大な時間がかかる。
 
今私が使っているラケットは、2年も3年もずっと同じものだ。木材が削れて傷んでくると、工場にもっていって修理してもらう。自分の体の一部と化した仕事道具には、命が吹きこまれているのだ。

これほど入念な準備は、試合でのメンタルにも影響します。

このように私は、戦いが始まる前から慎重に神経質に仕事道具を管理してきた。
 
「ここまでやるのか」と他人がビックリするほど盤石な準備をしなければ、本番で思ったとおりの結果を出せるわけがない。
 
仕事道具を誰よりも大切に扱い、道具にイライラをぶつけず精神状態を整える。
 
そして最後の最後に「願いはかならずかなう。かなえてみせるのだ」と瞑想し、最高の精神状態にまで高めるのだ。
 

本書では、東京オリンピックの男子団体で銅メダルを獲得した際のラケットに関するエピソードも紹介されています。
 
気になる方はチェックしてみてください。

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