早稲田大学テニス部監督で、テニス解説者でもある土橋登志久さんは、錦織選手の技術で改善された点を以下のように挙げています。
■攻め手が速くなり、ボール自体のパワーが上がった
ジョコビッチら世界のトップ選手とラリーしても、ポジションを下げずに打ち合えるようになりました。
■フォアをオープンスタンスで打つことが増え、身体の回転エネルギーを使えるようになった
■テイクバックの種類が増えた
以前の錦織選手は、ラケットを顔の前で回すスモールサーキュラーの動きでしたが、現在は速く直線的に引くテイクバックも併用しています。
このテイクバックを使うのはライジングで早くボールをとらえて強打し、相手の時間を奪うときです。
従来のテイクバックではタメを作って相手にコースを読ませず、直線のテイクバックでは速攻を仕掛けて、一気に勝負を決めに行きます。
錦織選手は本来バックハンドは非常に優れているので、フォアハンドの改善は錦織選手に極めて大きな進歩をもたらしました。
(このコンテンツは雑誌「スマッシュ」2014年 11月号(Amazon)114ページを参考にしました)