陸上長距離選手の大迫傑(おおさこ すぐる)選手は2014年、3000mで7分40秒09の日本記録を樹立しました。
 
翌年には5000mで13分08秒40の日本記録を出し、いまや日本を代表する長距離ランナーです。


 
雑誌「Tarzan」2016年12月8日号(Amazon)に、大迫選手の心肺機能に関するインタビュー記事がありました。
 
大迫選手がどのような意識を持ち、トレーニングを行っているかがわかります。一部を抜粋して紹介します。

「心肺機能のことを考えてはやっていない」

まず、やや意外な話なのですが、大迫選手は・・・

正直、心肺機能のことを考えてはやっていませんね、心拍計を使っている選手もいるのですが、僕は計測していませんし。
 
数字にはこだわっていないし、必要なトレーニングに真摯に取り組んでいるだけですね。

大迫選手は小学生から走り始め、陸上を本格的に始めたのは中学からです。
 
それからの心肺機能の成長について、このように考えています。

単純に、小学生や中学生のころは3kmを走るのが精一杯だったけれど、今は20km走っても平気です。それだけ、心肺機能や筋力が高まったということですね。
 
でも今は、日々のトレーニングによって自分の心肺機能が高まったことを感じるかと問われても、正直、感じないと答えるしかない。
 
レベルが上がっていけばいくほど、変化の度合いは小さくなりますから。まあ、高まっているとは思っていますが。
 
ただ、市民ランナーの方なら、練習によっては2、3か月続けるだけで心肺機能の変化は感じられると思うんですよ。

その「変化」をもたらすトレーニングのひとつとして、大迫選手もインターバルトレーニングを採用しています。




大迫選手のインターバルトレーニングやり方

やり方の概要は以下のとおりです。

たとえば最初の200mを飛ばして、次の200mは呼吸が落ち着くぐらいで走る。これを何度か行うのです。これなら誰にでもできますよね。
 
僕の場合は200mの時もあれば、それが2kmになるときもある。この距離でも1、2回ではなく、それ以上繰り返します。
 
心拍数を上昇させるには、スピードを上げることが一番手っ取り早い。
 
アップダウンの多いトレイルなんかも、心肺機能を高めるのにはいいと思いますよ。
 

最後に、トレーニング・練習に対する大迫選手の考えを。

100m以上でやることで、心肺や筋力の伸びしろが生まれると思う。
 
トレーニングは本当にキツいですが、それをしている自分に酔ってしまうといい練習はできません。常に冷静に取り組むことが大切なんです。

今回参考にした「Tarzan」には、スポーツだけでなく日常生活における呼吸の重要性が特集されています。
 
スポーツのパフォーマンスを伸ばす以外にも、「体調を整える」「ストレスを軽減する」といったトピックに興味があるなら、チェックしてみてはいかがでしょうか。
 
このコンテンツは雑誌Tarzan 2016年 12月8日号[呼吸と姿勢](Amazon)45ページを参考にしました。