日々多くのサーファーを診察している勝浦整形外科クリニックの稲田邦匡医師によると、
サーファーに一番多い症状は肩甲骨まわりや腰背部の張り
なのだそうです。
このコンテンツでは、それらの症状の対策をまとめています。
(「サーフィンライフ」2015年08月号(Amazon)59ページを参考にしました)
肩周り・背中の張り 予防・対策
肩甲骨まわりや腰・背中の”張り”はサーフィンのし過ぎによって筋肉が硬くなることで発生します。
痛みではなく張りであれば、身体を休息させ、使った筋肉の疲労をとることで回復・予防できます。
普通のスポーツと同じように、サーフィンでもストレッチは重要です。
また疲労を回復させるビタミンやタンパク質の摂取など、食事にも気を配れば、不調を感じず、次回のサーフィンが楽しめます。
疲れてくると胸が上がらず、肩を上げてのパドリングが多くなりがちです。
その結果負担が増え、肩のインナーマッスルを傷めることがあります。
稲田医師はこの症状を”サーファーズ・ショルダー”と呼んでいて、次のように解説します。
ケリー・スレーターなどのトッププロの動きを見ているとわかると思いますが、彼らは背中もあまり反らず、ゆっくり泳いでいるかのようにパドルをしています。
もちろん技術が大きく違いますが、カレントを上手く使ったり、ダックダイフで確実に波を超えるなど、エネルギーを使わない効率的なパドルを取得するのも疲労を軽減させるコツかもしれませんね。
サーフィンは腰に悪いスポーツではない
サーフィンは腰を傷めやすい、というイメージがありますが、稲田医師はそれに異を唱えています。
僕の医学研究の結果から言うと、サーフィンは腰に悪いスポーツではありません。
サーフィンには回旋動作が多く、股関節と体幹の両方でねじり動作をしているのですが、股関節の動きが固いと、腰だけにねじりの負担がかかり、腰が痛くなってしまうことはあります。
しかし、腰を支えている筋肉が痛くなるだけで、重症な椎間板ヘルニアになるプロサーファーは実はほとんどいないんです。
アマチュアサーファーでヘルニアになる人はいるのですが、それはサーフィンが原因ではなく、実は普段の仕事や日常生活、姿勢などが関係していると思われます。
姿勢が悪く、下半身の筋肉が硬い人はヘルニアになりやすいので気をつけてください。
サーフィンは、スノーボードなどのように固い場所に着地するスポーツではないため、本来、身体には負荷がかかりにくいんですよ。
股関節および肩甲骨は、あらゆるスポーツでキモとなる関節です。
もちろんサーフィンでも同様です。
サーフィンの上達のため、これらの関節の可動域を広げるといったトレーニングを実践してはいかがでしょうか。