奈良岡功大選手はクリアーを「押し込む」「リセット」するイメージで打っています。
 
まずはしっかり押し込み、相手をいい体勢で打たせない目的があります。

ただし体の入りが早い相手には、思い切り高いハイクリアーにして、次のレシーブで勝負します。

ラリーの中で自分のスマッシュが決まらないときは、クリアーでリセットするわけです。
 

 
ハイクリアーとドリブンクリアーは使い分けていますが、跳びついて打ってくる相手にはドリブンは使いません。
 
功大選手は以下のようなことを心がけています。
 
バドミントンマガジン2017年02月号(Amazon)30ページを参考にしています)

左手を上げることを意識

クリアーを打つときに一番意識しているのは、左手です。
 
スマッシュと違って、ゆっくり入るショットは、球の下に入るときに左手が下がってしまうことがあります。
 
それを防ぐために、左手を上げることを意識しています。
 
これは、奈良岡監督の指導において「鉄則」とされているものです。

コースはコートの隅をねらう

クリアーはコートの四隅を狙っています。センターに打つのは、功大選手によると
 
「ダブルスではありかもしれませんけど、シングルスだと、打たれてやられてしまう」 
 
です。

フェイントをかける

余裕があるときは、フェイントをかけたクリアーも使います。
 
以前、試合のファイナルで疲れきって、カットばかりのラリーになったとき、タイミングがずれたクリアーが決まったことがあったからです。
 
偶然のショットだったのですが、この経験以来、功大選手はクリアーでのフェイントを意識するようになりました。

足運びで何を打つかわからないようにする

足の運びで特に意識していることはありませんが、クリアーでもスマッシュでも、自然と同じになっています。
 
これは、次のショットを相手に悟らせないためにも効果的です。
 

 
クリアーではいつも同じグリップではありません。
 
ラウンド側でクリアーを打つとき、功大選手のグリップはウエスタン気味になります。
 
これは「少しウエスタンにして逃がすようなイメージで打つ」ためです。
 
フォア側は体を開いて打つ形になるため、しっかり体を入れて足を着けないと飛びませんが、ラウンドは体のねじりを利用して打てるため、
 
「力を入れて打つ意識はないです。コースだけ狙っておけば飛んでいく、という感じ」
 
です。
 
奈良岡監督のDVDには、クリア-・ロブ練習法も収録されています。