奈良岡監督は、バドミントン選手について
 
「経験値の高さ」
 
に言及することがあります。

「経験値が高い選手は、試合で追い込まれる場面でも動揺せず、要所で勝つことができる」のだそうです。


これは「メンタルが強い(強くなる)」ということでもあります。
 

 
経験値を高めるには、文字どおり様々な経験を積む必要があるのですが、奈良岡監督によるとただ試合をたくさんすればいい、というわけではありません。
 
経験値が高められるかどうかは、自分で考えられるかどうかにかかっているのだそうです。
 
試合でよくある場面で例えるなら、ベンチからのアドバイスを、ただ言われた通りに実践するだけでは本当の意味での経験値は高められない、と奈良岡監督は語ります。
 
自分で考える、自立することが大事なのです。普段から自立を促しておけば、経験値も日々高まっていきます。
 
本当に競った場面で、選手が日頃蓄積しした経験値の差が出ます。監督を頼る気持ちが選手に強く、「どうしようかな?」と迷っているようでは、試合に勝てません。
 

 
以前奈良岡監督はこのように語られたことがあります。

もちろん、私を頼ってくれるのはありがたい。しかし、勝負所でまで私を頼ることがあった。
 
現在の浪岡高校の選手たちは、厳しい場面で突き放しても、まだ半分程度の力しか出せません。
 
それは試合だけではなく、普段の生活でも同じ。
 
(「バドミントンマガジン」2016年7月号72ページより)

練習中はもちろん、日頃の生活でも自分で考えて解決法を探し、「より良いもの」を目指す姿勢が、ひいては試合で競った場面での強さを生むのです。
 
普段の生活でも、「どうすればいいだろうか?」と解決策を求められる場面はしばしばあります。
 
そこで自分の頭で考えて自分なりに対処できるかどうかは、試合の競った場面にも如実に表れるのです。
 

 
仮にその対処が間違っていて、失敗したとしても、それが経験・教訓になって次につながります。
 
自力での判断を放棄すると、それすら身につきません。
 
自分で考えるから強くなるのか、強いから自分で考えられるのかは判断が難しいところですが、ジュニア選手の間はおそらく前者の割合が大きいのではないでしょうか。
 
当然ですが、競技を始めたばかりの子供には実力はありません。
 
それならば、自分で考える機会が多いほど、実力がついていくと考えるのが自然です。
 
それを繰り返せば、実力もついていき、「強いから自分で考えられる」ということになるのでしょう。
 
奈良岡監督が指導する選手達が海外遠征に行った時のこと。食事面でちょっとしたトラブルがありました。
 
浪岡高校の選手達が「どうしよう?」と困っている一方で、功大選手は終始「なんとかなる」と考えていたそうです。
 
(バドミントンマガジン2016年7月号72ページ)
 
そうした場面で何も考えず、いきなり他人に任せる、あるいは誰かに解決策を聞いてばかり、といったことを繰り返していては、いつまでも自分で考える力は身につきません。
 

 
日頃から自分で考える習慣をつけましょう。それはやがて競技にも活かされます。
 
日常から自分で判断・決断できていなければ、試合の競った場面でできるはずもありません。

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