前ページの続きです。
 
「剣道時代」2015年05月号を参考に、富士ゼロックス剣道部の稽古内容を紹介します。
 
このシリーズは今回で終わりです。
 

 
ここまでの稽古が終わったら、面を外して10分間休憩をとります。

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実戦を意識した練習

休憩の後は、より実戦を意識した技の練習に入ります。自分の得意とする技、身につけたい技の精度を上げるために行います。
 
どの技を行うかを各自が元立ちに告げてから実践します。
 
一本に集中するため、一本交代で号令がかかるまで繰り返します。

技の練習は、より実戦的な内容を意識し、本番を想定して行うようにしています。
 
例えば小手打ちは、基本では元立ちが部位を空けて打たせますが、ここでは掛かり手が「手元を上げたところ」「打とうとしたところ」など本番を想定した場面を設定し、確実に一本にできるように稽古をします。
(上原主将)

開始線から始めて間合いを詰め、お互い合気になることを心がけます。
 
元立ちが掛かり手の意図通りの技を出させる「約束稽古」ではありますが、全て有効打突の基準を満たすのは難しいものです。
 

一本勝負を5~7本 負けたら掛かり稽古

技の稽古を約5分行ったら、一本勝負に移ります。
 
試合時間は1本1分~1分30秒で5~7本行います。これまで稽古してきた内容が相手に通用するか試してみましょう。
 
時間を1分~1分30秒にしているのは、実業団大会の試合時間3分を考慮しているからです。先を懸けて攻め、短時間で一本を取れるようになることを意図しています。
 
上原主将の解説です。

お互いに手の内を知っている者同士で行いますので、なかなか一本を決めることができません。
 
しかし、そのなかで有効打突につなげる稽古が、本番につながっていくと考えています。

負けたほうは掛かり稽古、引き分けの場合はお互いが掛かり稽古を実施します。

緊張感を維持するためにそのようにしています。
 
負け続ければ5本から7本、連続で掛かり稽古をしなければなりません。
 
普段、この稽古以外に自分で時間をみつけて稽古をしておかないと、一本勝負で勝てなくなります。
 
仕事で稽古時間が確保できないのはだれも一緒です。選手クラスはとくにそこを意識して取り組んでいます。
(上原主将)
 

最後に地稽古30分

一本勝負が終了したら、面を外して休憩し、最後に地稽古を行います。
 
およそ30分間、先輩に稽古をつけてもらいます。

互角稽古ばかりしていると打ち合いに終始してしまいますので、ここでは打たれることを恐れずに、捨てて打てるか、打ち切れるかなどをテーマに行っています。
 
30分しかありませんので、ここでも3分刻みで交代し、なるべく多くの先生・先輩方に稽古をお願いしたいので、先生方にも極力3分で相手を代えて頂くようにお願いしています。
(上原主将)

地稽古が終了したら、お互いに切り返しをして約2時間の稽古が終了です。
 
このコンテンツは「剣道時代」2015年05月号(Amazon)99~108ページを参考にしました。
 
同誌には、富士ゼロックス剣道部の稽古内容を収録したDVDが付属しています。

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教士八段、国際武道大学剣道部監督 井島章指導・監修
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