現在は全国で市民マラソンが開催されており、フルマラソンを走る一般人も全く珍しくなくなりました。
タイムを意識して本格的なトレーニングに取り組んでいるランナーも相当な数にのぼると考えられます。
ランニングにおいて、下半身の筋肉はいずれも重要であり、バランスよく鍛えないと肉離れなどのケガを誘発しかねません。
スポーツ用品メーカー・アディダスのフィジカルトレーナー、中野ジェームズ修一さんによると、日本人は腿の表側、つまり大腿四頭筋が発達しやすいのだそうです。
そのため、ランニング時は体勢が後傾気味になりがちです。
しかしレースにおいては、前傾気味のフォームが有利です。
欧米人ランナーは前傾タイプが多いので、日本人の後傾気味フォームはウィークポイントになってしまいます。
そのため中野さんがランナーの筋力トレーニングを指導する際は、大殿筋(お尻の筋肉)や太ももの裏側のハムストリングスを鍛えるプログラムを重視しています。
また、これら脚の裏側の筋肉を鍛えると、着地時に脚にかかる負荷を吸収し、ケガを防いでくれるというメリットもあります。
脚の前面のみならず、脚の裏側も前面と同じがそれ以上に意識して鍛える必要があるのです。
ランニングだけでなく、他のスポーツでも日本人のハムストリングスの弱さは指摘されています。
また日本人はハムストリングスを使いこなせていない、ともよく聞く話です。
ランナーに限らず、記録を意識しているアスリートであれば、ハムストリングスの重要性も意識する必要があるのです。