卓球の水谷隼選手が自身の著書「打ち返す力」で、練習の考え方の違いを、日本と海外の比較で解説されています。

その違いはかなり大きく、世界で勝てるかどうかの差を生んでいるようです。

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同書の24~29ページから、一部を抜粋して紹介します。(この本は面白いですよ!)
 

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練習のやり方・取り組む姿勢 日本とドイツの大きな違い

水谷選手が卓球留学でドイツでの活動を始めた際に驚いたことがあります。

ドイツに飛び立ったとき「日本と同じくらい練習がキツイ、あるいはもっとキツイかもしれないな…」と覚悟した。
 
だが意外なことに、練習時間は激減した。
 
(中略)
 
しかもドイツでは、毎日練習が終わるたびに監督が「体調はどうだ。疲れていないか」「明日の練習はどうする?」と声をかけてくれる。
 
「ちょっと疲れました。明日は休みます」と申し出れば、「そうか。わかった」と何の問題もなく休ませてもらえる。こんなことは、日本では考えられなかった。
 
日本では監督やコーチが言うことが絶対であって、選手が口ごたえなんてできないことが多い。
 
先輩が練習しているのに、年少者の私だけ「疲れた」と言ってイチ抜けしたら、とんでもない目にあわされるだろう。
 

実は水谷選手の出身校、青森山田もこの「考えられない」状態でした。

今はさすがに同じやり方ではないと思うが、当時の青森山田学園はいわゆる典型的な「体育会系」だった。
 
選手がいくら疲れていようが、毎日同じ練習を同じ時間ひたすらやらされる。体はボロボロに疲れているのに、死ぬほどつらい練習が延々と終わらない。
 
問答無用であって、選手が文句を言うなど論外だ。

こうした日本のやり方を、水谷選手は「間違っている」としています。
 
次のコンテンツで紹介します。




根本的に間違っている日本の練習(しかし中国の選手は…)

海外と日本の違いを体験し、水谷選手は「日本のやり方では世界で勝てない」との結論に達します。

卓球選手が集中してがんばれる練習時間は、せいぜい4~5時間が限界なのだと思う。スポーツ医学を無視した「ひたすら汗をかけ」という非科学的な根性論はナンセンスだと思う。
 
意味がない練習、無駄な練習をダラダラ長時間やったところで、選手としての力量が上がるわけがないのだ。
 
(中略)
 
ドイツに行ってすぐに、ドイツの卓球選手が強い理由がわかった。
 
逆に日本の卓球選手が弱い理由もわかった。
 
青森山田学園は日本一すごい練習場をもっていて、日本中から強い選手が集まっているのに、なぜ世界で勝てないのか。
 
世界レベルで勝負できない理由は、日本の練習のやり方が根本的に間違っていたのだ。
 

 
幸い、私の判断は正しかった。ドイツでの卓球留学によって、すぐに大きな結果を出せた。
 
ドイツに飛んでから半年後の全日本卓球選手権(2004年1月)で、14歳の私はジュニアの部(高校2年生以下)で史上最年少優勝を果たす。
 
一般の部でのベスト16も、史上最年少だった。

ただし本書では、「ドイツとは対照的に、ものすごい努力を長く続ける」中国についても言及されています。
 
練習のやり方が、選手に向いているかどうかも影響するのでしょう。
 
関心のある方は本を手に取ってみてはいかがでしょうか。


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