ランニングは地面からの衝撃が継続して発生するため、膝や足首、腰といった箇所の痛み・故障が比較的発生しやすい運動です。
特に多いのは腰痛ではないでしょうか。
JAPANマラソンクラブの牧野仁さんによると、ランニングによる腰痛には衝撃以外にも複数の原因が考えられるそうです
腹筋不足での反り腰は腰痛の原因 反り腰を矯正する「腰椎リセット法」
腹筋が足りない状態での体幹ランは腰痛を招くことがあります。
牧野さんの解説です。
ランナーの腰痛の原因はさまざまですが、初心者に多いのが腹筋が弱いにもかかわらず、胸を張り上体を安定させて走ろうとするあまり、反り腰になり腰椎の前湾が強調されるパターン。
その状態が長時間続くと当然、腰痛も引き起こされやすくなります。
近年は上体を安定させて走る「体幹ラン」が流行していますが、これを実現するには体幹部の筋力が必要です。
しかし、上体安定の核となる腹筋周辺の筋力が足りないまま、いわば形だけの体幹ランを行うと腰への負担が増加してしまうのです。
このタイプの腰痛を防ぐには体幹部を鍛えるほかに、牧野さんおすすめの「腰椎リセット法」があります。
やり方は以下のとおりです。
↓
・腰を90度まで曲げたら、両腕を脚の裏から肩の下にダランと下ろす
↓
・これを10回繰り返す
この動作は腰椎の過度な前湾と反り腰を矯正してくれるので、腰への負担が軽減されます。
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つま先からの着地 腸脛靭帯への負荷になり腰痛の原因に
不適切な着地も腰痛の原因になりえます。牧野さんの解説です。
「底屈(足首を足の裏側に曲げる動作)での着地も腰痛につながります。
爪先が伸びたまま着地すると腓腹筋が収縮する。
腓腹筋の起始部は大腿骨の下側なので、収縮と同時に大腿四頭筋やそのそばにある腸脛靭帯が引っ張られ、骨盤に負担がかかるのです。
腸脛靭帯とは、骨盤の横から腿外側を通り、膝下にある脛骨の上部に至る靭帯です。
ここへの負荷は腰や膝に影響します。
ランニングはもっとも手軽にできる運動のひとつです。
本格的にやるのであれば、腰痛などの故障を防ぐために、ある程度の筋力・柔軟性も徐々に備えていきましょう。
このコンテンツは雑誌(PR:Amazon)ターザン2015年10/22号 55ページを参考にしました。