雑誌「ラグビーマガジン」に、「ワールドカップをメンタル面から考える」という特集がありました。
メンタルトレーニングアドバイザー・高妻容一氏監修の記事です。
ラグビーに限らず、その他の種目でもチーム運営の参考になるので、一部を抜粋して紹介します。
(このコンテンツは雑誌「ラグビーマガジン」2015年12月号(Amazon・レビューあり)124ページを参考にしています)
チームで共有したい情報や意識と伝え方
「もしも高妻氏が日本代表のメンタルトレーニングコーチならどうしますか?」というコーナーがあり、高妻氏が回答されていました。
まずは監督含めたチーム全員と共有したい情報やその伝え方など。
・練習や試合をビデオで撮影し、分析する チームに何ができるか計画する
・メンタルトレーニングとは、心理的サポートとは何かを選手やコーチ、関係者に理解してもらう
・スポーツ心理テストやアンケート調査のデータのフィードバック、基本的な心理的スキルの紹介、具体的な方法や使い方を理解してもらう
・自分のメンタル面の強さ・長所・短所をスポーツ心理テストのデータから確認してもらう
・朝からセルフコンディショニングのプログラムを体験してもらう
・その日の練習の質を高めるため、およそ30分間で気持ちのコントロール、やる気アップを図る
コミュニケーションの機会 メンタルサポートやコンディション把握
以上は主にチーム全体とのやりとりでしたが、場合によっては選手個人との対話が必要になります。
各自のコンディション把握にもつながるため、以下のような機会をみつけてコミュニケーションを図りましょう。
・練習前の時間も選手とコミュニケーションをとる貴重な時間 高妻氏は基本的に集合の一時間前にはグラウンドに出て選手を待ち、トレーナーやコーチと情報交換する
・集合して監督やコーチの話を聞く時の選手の表情をチェックし、心理状態を探る
・可能なら、練習前に心理的ウォーミングアップ時間を20分とり、リラクセーションやサイキングアップを実施する 選手の気持ちの準備と練習へのやる気・集中力を高める
・練習中は選手の観察やビデオ撮影をする 表情や態度の分析により、選手とのコミュニケーション材料やモチベーションビデオ作製の素材を得る
・ケガをしてリハビリ中の選手がいれば、邪魔をしない程度でコミュニケーションをとる
・水を飲む時や休憩時間は、選手とのコミュニケーションを図るチャンス 選手や練習の邪魔をしないように
・練習が終わったら、心理的クーリングダウンを5分間ほど行う
・練習後の自主トレを行う選手がいたら観察する、あるいはコミュニケーションをとる
・夕食や夕食後もコミュニケーションをとるチャンス
・夜に時間があったら、ミニ講習会を実施し、知識や実技の習得を促す
・寝る前の選手にコンディショニング指導 気持ち良く寝てもらうためのトレーニング
・一日の終わりには、その日のまとめや分析・観察結果を次の日に活かす準備をする
スポーツチームであれば広く通用する考え方ではないでしょうか。
試合当日はまた別の心理的サポートが必要になるため、さらに詳しくは高妻氏の書籍などを参考にして下さい。