雑誌「ラグビーマガジン」に、下半身および体幹を鍛えるトレーニング記事がありました。

サントリー・サンゴリアスが実践する、階段を使ったトレーニング法です。

ラグビーマガジン2018年1月号126~129ページから、一部を抜粋して紹介します。

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階段トレーニングとは サンゴリアスのやり方

サンゴリアスが使用する階段は6段で、幅、段差、段数をトレーニングのために考えて作られています。各段の段差は20cm、奥行は60cm、横には、最上段から降りるための階段もあります。
 
実践するのはプレシーズンは週に2回、シーズン中は週に一回です。
 

 
記事ではトレーニングの概要をこのように解説しています。

サンゴリアスでは、幅と段差、段数を考えて作った階段でのトレーニングを、3月から重ねて来た。
 
6週間もくり返せば、効果があらわれるようになった。
 
バーベルを肩、首に載せたり、ウォーターバッグを背負ったり、両手で突きだして持ったり。
 
負荷をかけた状態でいっきに6段の階段を駆け上がる。
 
負荷のレベルは、徐々に高めていく。
 
スタート前は態勢を低くして、力をため込む。その姿勢からすばやく上体を起こし、パワー全開。
 
頭、腰を高い位置にキーブして、足裏全体で地面を蹴り、すぐに逆の膝を高く上げ、次はその足で地面を蹴る。テンポよく、その動作をくり返す。

このトレーニングの負荷は大きく、サンゴリアスの選手でも当初は苦労しました。

負荷がかかった中で、サンゴリアスの選手たちですら最初は駆け上がることができなかったり、真っすぐ走れずぐらついていたのに、やがて理想のフォームで、スムーズに、力強く動けるようになった。
 
体の使い方が分かるようになるからだ。体幹も強くなった。パワーも増し、力の伝え方も上手に。スピードも高まった。単純なトレーニングも、効果は大きい。
 

実践しているチームは少ない 似た状況なら

サントリーの沢木敬介監督によると、階段トレーニングを実践しているチームはまだ少ないようです。

ヨーロッパではよくおこなわれているトレーニングですが、そのために作った階段を持っているのは、うち(サントリー)とイングランド代表、ウエールズ代表だけだと思います。
 
菅平のゾンタック(ホテル)にもありますが。
 

専用の階段が無くとも、似た条件の場所を探せば実践可能です。
 
沢木監督の解説です。

高校生でも、自分たちの環境の中で取り組めるトレーニングのひとつだと思います。例えば神社の階段などを使えば十分やれる。
 
似た環境(サントリーの階段は段差=20cm、奥行=60cm)を探し、やってみてください。継続してやれば変われる。バランス感覚もパワーも高まるので、コンタクトのシーンでも、足を動かし続けるようになりますから。
 
このトレーニングは、正しくやらないと効果は得られないと思ってください。
 
姿勢であったり、体の使い方に気をつけながらやることが大事。

ヒップロック状態を連続して作れる FWとBKの負荷の違い

階段を使うトレーニングの最大のメリットは、ヒップロックの状態を連続して作れることです。
 
階段の移動では「足裏全体を地面に強く、真っ直ぐおろし、次に、すぐに逆足(の膝)を高く引き上げる」動作の繰り返しになります。
 
これはヒップロック状態が連続することでもあります。
 
若井正樹コーチの解説です。

ヒップロックとは、そうやって、左右のヒップ(骨盤)を交互に上下させる動きです。
 
支持足と逆の足のヒップが上がっていると、ストレートに走る場合には大きなパワーを生むし、アジリティーも高まります。
 
階段を使うことでヒップロックの動作を連続してトレーニングすることができる。
 

サンゴリアスのトレーニングでは、
 
FWがスクワット時の状態の姿勢のようにバーベルを両肩に載せ、階段を駆け上がる。
 
BKはウォーターバッグ(水が入った筒状のバッグで、中で水が動くため不安定)を背負ったり、腕で抱えたり、上半身に負荷を加えて行う。
 
といった動作を行います。
 
この狙いを若井コーチはこのように解説しています。

ラグビーでは、例えばFWなら狭い場所で上半身を固めて相手にコンタクトしながら足を動かし続けて前へ出ることが必要です。
 
BKなら、ランニングラインを変えるときなど、複数のディフェンダーの間を切っていくような動きでハンドオフをしたりしながら突破しようとする。
 
上半身が複雑な動きをする一方で、下半身はパワフルに前へ進み続けたいわけです。
 
(中略)
 
トレーニングをピッチ上でのプレーにトランスファーしやすくするために、トレーニング前からこの練習がどういったラグビーの局面に結びつくのかをイメージするのは大事です。
 
FWにはバーベルを使って、よりコアを固めないと崩れてしまう状況を作ってあげる。
 
BKにはバッグの中で水が揺れる不安定な状況を作る。BKは、負荷を大きくし過ぎるとスピードが落ちてパワーが低下するので、プレシーズン以外の時期は、軽めで、アンバランスなものを重視することの方が多いかもしれません。
 

階段トレーニングは見た目はシンプルですが、正しく取り組めば大きな効果が期待できます。
 
サンゴリアスの選手も、ボールキャリーの局面で前へ出る力を大きく伸ばしています。
 
条件が揃ったら実践してみてはいかがでしょうか。

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