現代の野球では、プロ・アマを問わずデータが活用されており、データを参考にせず試合に臨むことはまずありません。

落合博満さんが、著書「決断=実行」で、データを使う際の注意点を指摘されています。

同書の152~153ページから一部を抜粋して紹介します。

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スコアラーのデータも完璧ではない必ずチェックを 落合さんの体験

スコアラーによるデータは、野球に詳しいゆえの先入観が含まれる可能性があります。

バッティングの感性を養うためには、スコアラーが作ってくれたチャートを試合後に自分でチェックする習慣をつけておくべきである。

最近では、そうしたデータやチャートを作る専門業者もある。

だが、基本的には、プロはもちろん、アマチュアでも社会人ならスコアラーを務めるのは控え選手かコーチ、アナライザーのはずだ。

そうした人たちの野球を見る目は確かだと思うが、半面、本格的に野球に取り組んできたからこその先入観もある。 

データをとる選手

これは落合さん自身の経験から語られています。

これも何度か書いているが、私が20年の現役生活を送れた理由のひとつは、「落合はアウトコースをライトスタンドまで運ぶ」というデータがあったからだ。

実はこれ、他チームのスコアラーによる誤ったデータなのです。

実際は、インコースから真ん中寄りのボールを押し込むようにライト方向へ打ち返していたのだが、それをバックネット裏の観客席から見ているスコアラーは、「まさかインコースをライトに打つことはないだろう」と、真ん中からアウトコース寄りだったと記してしまう。

この先入観ゆえの誤ったデータを参考にしたバッテリーが、「アウトコースを遠く見せるためにも、インコースを突いておこう」と投げ込んでくれるから、私が待っているボールがいつまでも来ていたのである。 

野球のバッター

「スコアラーのデータは常に100%正確というわけではない」ということです。

どんなに優秀なスコアラーにも、そうした記入ミスがある。それ以前に、バックネット裏の観客席から見ているのでは、球審と捕手の背中に隠れて正確な球種やコースを記していくのは不可能だろう。

極論すれば、選手が参考にしているのは、そうした多少の誤差のあるデータなのだ。 

そこで必要になるのは、自分でチェックする作業です。

だからこそ、試合後には自分の打席のチャートをつぶさにチェックし、自分が思うのと違った球種やコースがあれば修正しておく。

実際、現役時代の私も、必ず試合後には自分のチャートをチェックし、誤りがあれば修正しておいた。

選手の中には、試合直後に配球をチェックさせても、もう忘れてしまったという信じ難いタイプもいる。

しかし、そんな選手でも、試合後のチャート・チェックを習慣化すれば、しっかり配球を覚えておかなければいけないと思うだろうし、それが少しでも自分のバッティングを真剣に考える動機になってくれればいい。

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