女子バスケットボール日本代表のトム・ホーバス監督が、著書「チャレンジング・トム」で「自信を失わない方法」について解説されています。
同書の34~37ページから、一部を抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)
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チャレンジング・トム 日本女子バスケを東京五輪銀メダルに導いた魔法の言葉
自信を持つのは難しい 勝って結果を出す
自信を持つのは意外と難しいもの。
日本代表であっても、それは同様なのだそうです。
自信を身につけることは決して簡単なことではありません。「自信を持って」と言われて、すぐに100%そうなれる人は世界中のどこにもいないでしょう。
瞬間的にそう思っても、長続きはしません。日本を代表するトップアスリートでも同じことです。
その自信を持つのに必要なこととは…
ではどうしたら自信を持つことができるのか。
ひとつは勝つことです。結果を出すこと。
これは誰もがすぐに理解できるでしょう。よい結果が出れば、それまで自分のやってきたことが間違いなく自信になります。それを積み重ねていけば、自信はさらに確固たるものになります。
ホーバス監督のもと、バスケ女子日本代表は勝つための方針を明確にしました。
女子日本代表は「世界一のパッシング(パスをする)チームにしたい」と考えていました。
高さがない分、動きと正確なパスで相手を翻弄しなければシュートチャンスを得られないからです。
そのためにはパスの練習もしなければいけないし、パスについてのチームルールも作ったほうがいい。
そう考えて、ペイントエリアと呼ばれるゴール付近、コート上の色が変わっているエリアの中では「バウンズパス」というルールを決めました。
受け手にまっすぐ出すパスではなく、一度コートにボールを弾ませるパスです。
そんな細かいところまで試合を見ている人は少ないかもしれませんが、毎日毎日それを練習したのです。
試合でそのパスが、相手にカットされることなくつながれば、自分たちのやってきたことは間違いではなかったと自信になります。
自信はよりよいプレーを生み出し、ここぞの場面でも威力を発揮します。
とはいえ、多くの選手(チーム)は「勝てないから自信がない」はず。
つまり負けた時に何をするか、のほうがより重要なのです。
ホーバス監督の答えを次に紹介します。
敗戦の中に挑戦・進歩する材料を見つける
当然ですが、負ければ自信を失います。
では負けたときはどうするか。
自信は失われていくだけかといえば、そうではありません。
もちろん負けた瞬間は気持ちが沈んでしまい、自信も失われがちです。特に勝負の世界に生きている選手たちですから、日本人に限らず世界のアスリートでもそうしたマイナスの気持ちに陥るでしょう。
私自身も現役時代はそうでした。
たとえ負けたとしても、得られるものがあります。
しかしコーチになってからは、負けても勉強になるという気持ちが芽生えるようになりました。
選手が持つのはマイナスの感情や視点がほとんどだと思いますが、コーチになってマイナスとプラスが見られるようになったのです。
そうして信じる力を見失いかけている選手たちに、私が見えたプラスの面を伝えて、もう一度目標に向かって、自信を積み上げていくわけです
たとえ負けたとしても、それまで積み上げてきた自信をゼロにするのではなく、少し上積みしたところからリスタートしていく。そのように導いていくのがコーチの役割です。
負けの中に、挑戦して進歩するための材料を見つけましょう。
そのためにはまず、コーチ自身がヘッドダウンしないこと。
そして、敗戦をポジティブにとらえて、コミュニケーションを取っていく。
「これがよくなかったよね。でもそれをこう直したら、もっと上手になるよ」といった次のチャレンジ、モチベーションを与えていくわけです。
チャレンジやモチベーションのリセット、いわゆるマインドセットをすれば、少しずつ自信の回復に向かっていきます。
以上は監督およびコーチ視点での解説でしたが、チームや選手個人の方針としても採用できる考えかたです。
自信を失いがち、という場合は参考にしてみて下さい。
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