40歳を過ぎても、大リーグの一線で活躍したイチロー選手。その衰えを知らない肉体には誰もが驚きました。

コンディション維持のため、イチロー選手が「初動負荷トレーニング」とよばれる特殊な鍛練法を採用しているのはよく知られています。
 
イチロー選手は、このトレーニングを考案した小山裕史氏に99年から師事しており、自宅にもトレーニングマシンを備えています。
 

 
雑誌「週刊現代」に、初動負荷トレーニングの概要を紹介した記事がありました。
 
同トレーニングの一端を理解するためにわかりやすい内容なので、ポイントをまとめて紹介します。
 
(このコンテンツは(PR)週刊現代 2014年9/6号(Amazon)160~163ページを参考にしています。)




初動負荷トレーニング 小山裕史氏の考え方

小山氏が初動負荷トレーニングを考案したきっかけは、従来のトレーニング対して疑問を抱いたことでした。

専門的なアプローチの仕方は異なるにしても、子供や機能マヒを持つ方からアスリートまで、同じ場所で取り組めるトレーニングが理想でした。
 
そして、重いバーベルを挙げるだけで、実践できるトレーニングにも疑問を持っていたのです。
 
そもそも機能マヒの方々にバーベルを持ってもらうというのは必然的に限界があります。
 
私が提唱するトレーニングはそのような疑問やハードルをクリアしようとするうちに行き着いたものかもしれません」
 

従来「トレーニング」と言えば、筋肉に大きな負荷をかけて筋肉を発達させ、よりパワフルな体を作ろうとします。
 
これはつまり、筋肉が縮まる時に大きな力を出せるようにするための鍛練といえます。
 
この従来のやり方に対して、小山氏は懐疑的です。

筋肉や関節がダメージを受け、筋肉を動かす神経とのバランスも崩してしまう。

ためです。
 
初動負荷トレーニングでは、筋肉を弛緩させる動きを重視します。
 
従来のトレーニング法とは正反対の考え方なのです。
 
より具体的には、
 
動作の初期にかかる負荷を、カム・マシンを使って「筋肉をゆるめ、リラックスした状態」に転換する
 
のです。
 
これだけでは何のことやらよくわかりませんが、「週刊現代」の記事では、記者さんの体験談もあります。
 
「初動負荷カム・トレーニング法」を体験した直後、記者さんが長年悩まされた肩こりと腰のハリがウソのように消えたのです。
 
次のコンテンツで紹介します。




記者さんの体験談 肩甲骨用マシンで首や肩のストレスが…

記者さんの肩こり・腰のハリをたちどころに解消してしまったのは、「初動負荷カム・トレーニング法」の中でも、肩甲骨を使うマシンでした。
 
記事にはこのようにあります。

まず、シートに座り、取っ手を持つ。
 
一般的には、負荷により筋肉が緊張するが、取っ手と連結した特殊なカム装置の動きで、負荷があるのに筋肉が緩む(弛緩)状態を作る。
 
その後、釣り糸で巻き上げられるように、肩甲骨が動き筋肉が伸びる(伸長)。
 
取っ手が元の位置に戻り、(反射、短縮)、再び同じ動作を15回ほど繰り返す。
 

記者さんの場合、伸長する動作では肩甲骨や鎖骨が普段より大きく動いているように感じ、戸惑ったそうです。
 
しかし数分の運動で首や肩のストレスが消えました。マシンには他に、股関節用など数種類があります。




イチロー選手は「やるほど柔軟性アップ」しかし「効果なし」のケースも

肩甲骨の初動負荷トレーニングは、イチロー選手が実際に行っている場面をテレビで見た方も多いのではないでしょうか。
 
管理人も数回目にしています。
 
一見すると、一般的な筋トレでいう「プルダウン」に似た動作です。
 

 
しかし初動負荷トレを体験したイチロー選手は、筋トレとは全く違うコメントをしています。

3日やったらやみつきでしたね。
 
やればやるほど体が柔らかくなり、やればやるほど動きが良くなっていく。
 
そんなトレーニングは存在しないと思っていたけれど、実際に存在した、という感覚です。

週刊現代の記者さんやイチロー選手には目覚ましい効果があった初動負荷トレーニングですが、小山氏はこのように語っています。

3分やっても効果がなければ、3年やっても効果はありません。子供と老人は好きなものしかやりませんから。

場合によっては効果を発揮しない、というわけですが、イチロー選手には極めて良い結果が出ているのは実績が証明しています。
 
小山氏はイチロー選手のコンディションについて

人間は脚から弱ると言われているけれど、彼の今の走力は20代のときに匹敵するか、もう少し速いかもしれません。
 

とまで語っています。
 
次のコンテンツでは、初動負荷トレーニングを実践している山本昌投手のコメントや、その他の有名人などを紹介します。




プロ野球最年長先発勝利記録の山本昌投手「肩や股関節は若い頃より柔らかい」

プロ野球の最年長先発勝利記録を持つ、山本昌投手のコメントです。

今は一番体に負担の少ないフォームになってきている。肩や股関節は柔らかいのが普通の状態です。
 
たぶん若い頃より柔らかい。
 
先生に出会っていなければ、間違いなく10年以上前に引退しています。

初動負荷トレーニングは、その他にも
 
岩瀬仁紀 青木功 為末大(敬称略)
 
といった、錚々たるアスリートから支持されています。
 
いずれも衰えを知らず活躍を続けていますが、このトレーニングは、こうしたトップアスリートのためだけのものではありません。




ジムを利用する一般人の体験談

小山氏のジムを利用する人の多くは中高年~シニア世代で、スポーツ選手は少数派です。
 
そうした一般の人達は、各自が抱える不調の改善など、それぞれの目的のためにトレーニングを行っています。
 
一般の人が、初動負荷トレーニングにより、健康を取り戻した例を挙げます。
 

85歳の女性 寝たきりの危機→脚の痛みや腰痛が解消

・10年前から長距離を歩けなくなり、寝たきり生活の危機に
 
・脊柱管狭窄症の手術後、小山氏のジムに通い始める 
 
・1回1時間のトレーニングを週5日続けた結果、背筋が伸びて姿勢がよくなり、脚や腰の痛みが消える




86歳の女性 メニエール病のめまいや膝痛→すっかり解消&健康に!

・メニエール病でめまいがひどく、年に2~3回は入院していた 長い時は1ヵ月の入院も
 
・膝も傷めていたが、17年前に通い始めてからはめまいもすっかり良くなり、内臓も健康に




脳卒中などで手足に麻痺が出た患者→手の感覚が戻る

・カム・マシンによる動作で簡単に手の感覚が戻ったり、使えるようになる




初動負荷トレーニングは脳にも良い影響

上で紹介した体験談を見ていると、老化特有の不調が現れた人にも、初動負荷トレーニングは効果的という印象を受けます。
 
この原理について、小山氏は次のように語っています。

肩や首のこり、腰痛、膝痛、静脈瘤などは人が常に受けている重力に原因があります。
 
そこで、膝や骨盤だけでなく、肩甲骨や鎖骨回りなど、全身の筋肉のストレスをトレーニングで解消し、リラックスした状態と、その動き方を体に覚えさせる。
 
こうして良い動作を反復していくほど脳にも良い影響を与え、良い循環が作られます。
 
脳にサインが送られ活性化すれば、老化を防ぐ可能性があることもわかりました。
 

日本はこれから超高齢化社会を迎えます。
 
アスリートのパフォーマンスとコンディションを向上させるだけでなく、今後多くの日本人の生活を向上させる可能性が、初動負荷トレーニングにはあるのかもしれません。
 
現在小山氏のジム「ワールドウイング」の指導提携契約施設は全国にあります。
 
実際に訪れてトレーニングを体験してみてはいかがでしょうか。