2014年以後の錦織選手は、全米オープン準優勝など、これまで以上に好成績を残しています。
 
錦織選手の専属トレーナーである中尾公一氏によると、この好調さは、突然生まれたものではなく、継続して行ってきたコンディション改善の成果なのだそうです。
 


中尾トレーナーが錦織選手のトレーニングにおいて重視したのは、代償運動をなくすことと、軸を作ることの二つです。
 
以下に紹介します。
 
(このコンテンツは雑誌「スマッシュ」2014年 11月号(Amazon)114ページを参考にしています)

代償運動を無くしてケガを防ぐ

代償運動とは、ある動作を本来とは別の筋肉で行うことです。
 
例えば、うつ伏せになって足を上げる際、本来はハムストリングスと臀部の筋肉を使いますが、これらの筋肉が弱いと体幹を使ってしまいます。
 

 
しかし、このように弱い部分を他の筋肉で補っていると、ひずみが生じて痛みにつながります。
 
錦織選手の股関節や膝のケガはこれが原因でした。
 
正しい動きを覚え、バランスを整えて筋力を鍛えることは非常に大切なのです。

身体の軸を作る 正しいアラインメントで

身体の軸に関して中尾トレーナーは、次のような例えをしています。

「モーターも、正しいポジションで回っていれば高回転でも壊れませんが、ずれると回転軸がぶれて故障します。
 
人間の体も同じことです」

中尾トレーナーが重視しているのは、アラインメントと姿勢です。小さな筋肉をキュッと固めることが大切で、その配列が悪いとケガをします。
 

 
しかし、配列を整えるような細かいトレーニングは地味な上に、効果がわかりにくいので、選手が嫌がるケースが多いのだそうです。
 
でも錦織選手は、それを継続してきっちりやってきました。その成果がいまの好成績に表れているのです。