いまでは海外のサッカーチームでプレーする日本人選手は珍しくなくなりました。

基本的に海外は日本よりも世界ランクが高く、強豪がひしめいているわけですが、エースとして活躍する選手も増えています。


中には日本のサッカー(Jリーグ)よりも、海外のサッカーのほうが合うという選手もいるようです。
 
雑誌「ヤングチャンピオン」2018 3/27号で、清水英斗さんが海外(欧州)と日本のサッカーの違いを解説されていました。
 
フォーメーションやDFの特性などの違いから、「海外のほうが合っている」と感じる選手もいるようです。
 
以下に一部を抜粋して紹介します。

日本と海外の違い フォーメーション・DFの動き・FWの役割

まず清水さんは、外国との違いとしてフォーメーションを挙げています。
 
この違いは選手のスタイルにも影響を及ぼしています。

そろそろ僕らは気づいたほうがいいかもしれない。「日本人離れした選手」を育てる土壌として、いちばんJリーグが不適切であることに。
 
中島は元々ポルトガルリーグを見て、「自分に向いている」と感じていたそうだ。システムはほぼ[4-3-3]。両ウイングのドリブルを生かすスタイルが特徴的で、「ボールを持ちすぎるな!」なんて言われることはない。この国はブラジル人を中心に、南米の選手がたくさんプレーしている。
 

対してJリーグではドリブルを得意とする選手が活躍しにくいフォーメーションが一般的です。

逆にJリーグは、基本的に[4-4-2]など2トップ系が多く、両ウイングの仕掛けを生かす戦術は少ない。真ん中に固定できる長身系のFWが不足しがちで、[4-3-3]をやりづらいことも理由の一つだ。
 
攻撃は個人よりもコンビネーションを重視するため、ドリブラーにとっては息苦しい。ゆっくりとパスを回し、相手も自陣に戻ってスペースを埋め、最後はクロス。そうなってしまうと、164センチの中島に居場所はない。

ディフェンダーの動き、FWに求められる役割にも違いがあるようです。

球際でも引いて待ち構えるディフェンスが多いため、Jリーグでは中島本来のフィジカルが活きない。逆に国際試合のほうが、中島の力強いプレーが映える傾向はあった。
 

 
中島のほかにも日本人離れした選手といえば、2017年を最後に引退した「怪物」、平山相太が思い浮かぶ。平山は20歳のころ、オランダのヘラクレスで活躍した時期がある。生活環境への適応に苦しみ、翌年に帰国したが、サッカー自体は合っていた。
 
Jリーグに来ると、「DFがねちねち付いてきてやりづらい」と彼らしく表現している。ぶつかってくるDFよりも、足を出さずに付いてくるDFが多いため、敏捷性のない平山には適応が難しかったのだろう。
 
また、日本は「FWはゴールだけ取ればOKだよ」と、専門性に特化した評価をしないため、「守備をしろ」「ポストプレーをしろ」と、仕事が多いのも苦戦の要因だ。

日本のサッカーにも利点があり、海外と比較してやり方自体に優劣をつけることは難しいのではないでしょうか。
 
しかし今後海外で活躍した選手が指導者になるケースが増えると、海外との違いも少なくなっていくかもしれません。