落合博満さんが著書「決断=実行」で、中日ドラゴンズの監督に就任した際のエピソードを紹介されています。
同書の16~17ページから一部を抜粋して紹介します。
・PR:決断=実行(Amazon)サンプルを読む・Kindle版ありますまず”厳禁”としたことは?のびのびプレー&自分で考える環境のために
当時の落合さんはドラゴンズに対してこのような印象を持っていました。
中日ドラゴンズというチームに対する私の印象は、監督やコーチが頻繁に叱咤し、時には鉄拳も辞さない厳しさで選手に接していたため、選手が首脳陣の顔色をうかがいながらプレーしているというものだ。
これでは、持てる力を発揮しろと言われても無理だろう。
そこでまず実行したのがこちら。
オーナーに求められたのは、そうしたチームカラーを一掃し、選手たちがのびのびとプレーできる環境作りだと解釈した私は、どんな理由があってもコーチが選手に手を上げること(選手同士も)を厳禁とし、これを破った場合は理由の如何を問わず契約を解除するとした。
禁止したことはもうひとつあります。
常勝チームを作るには、選手が不安なくプレーできる環境を整え、時には選手がベンチの指示で動くのではなく、自分の考えと判断でプレーすることが肝要だと考えていたので、無闇にコーチから教えることも禁じ、選手から求められた場合だけ的確なアドバイスをするように厳命した。
選手自身に考えてもらうため、さらに手を打ちます。
監督としていくつかの経験をしながら秋季キャンプを終え、私は翌春のキャンプを開始する2月1日に紅白戦を実施すると選手たちに伝えた。
ひとりも自由契約にせず、現有戦力を10%底上げして優勝すると宣言したのだ。
シーズンオフの過ごし方が極めて重要なのは目に見えていたが、どう過ごしていいのか分からない選手もいると考え、キャンプ初日に実戦を行うという表現で、オフをどう過ごせばいいのか考えさせようとした。
選手の自主性を高める落合監督の方針は、結果にズバリ反映されます。
迎えた04年2月1日、選手たちの動きを見て、さすがはプロだと感じた。全員が実戦に対応できるよう、コンディションを仕上げてきたのだ。
やはり、若手に比べてベテランのほうが仕上がり具合はよく、いつペナントレースが開幕しても戦える状態だと感じた。
振り返れば、こうやってチームをスタートさせたことが、8年間でAクラスを一度も逃がさないという結果につながったのだと思っている。
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