落合博満さんが、著書「決断=実行」で藤浪晋太郎投手に言及されています。
藤浪投手は制球難に陥ることがあり、それを改善する方法を落合さんが提案しているのです。
・PR:決断=実行(Amazon)※サンプルを読む・Kindle版あります同書の138~139ページから一部を抜粋して紹介します。
藤浪投手が制球難を克服するには プレートを踏む位置
この件は、あるテレビ番組に出演した際に質問されたものでした。
阪神の藤浪晋太郎はどうすれば復調するかと聞かれた。
方法はいくつかあるだろうが、私は投手板の三塁側を踏んだらどうかと提案した。
落合さんは藤浪投手のフォームの特徴を指摘します。
藤浪のフォームは、左足をややクロスして踏み出す。このフォームだと、どうしても右腕を引っ張り込むようにしてストライクゾーンに投げ込もうとする。
そして、すっぽ抜けたボールは右打者の体の近くに行ってしまい、抜けないように意識すると引っ掛けるように外角に外れる。それでコントロールが定まらなくなる。
三塁側を踏む理由は以下のとおりです。
そういう投手が投手板の一塁側を踏んでいると、対戦している打者を見る視界が広過ぎて「すっぽ抜けたらまたぶつけてしまう」と考えがちだ。
ならば、投手板の三塁側を踏んで打者に向かう角度を変えれば、自分の視界も変わる。そこでどう投げればいいのか考えてみるのも改善のヒントになると考えたのだ。
私は投手が専門ではないから、あくまで体の使い方という理屈で考えたのであり、絶対に正しい改善法かどうかはやってみなければわからない。
ただ、藤浪自身にそうした発想がなかったのなら、トライしてみる価値はあると思っている。
視聴者からは大きな反響がありましたが、落合さんにとってこうした考え方は「珍しいものではない」そうです。
・PR:落合博満 アドバイス――指導者に明かす野球の本質(Amazon)※サンプルを読む・Kindle版ありますこの発言をした時、スタジオにいる人たちは「なるほど」と感心し、そんな発想はどうすればできるのかという視聴者からの投書も多かったという。
だが、私に言わせれば、昔はこうした考え方は珍しくなく、そうやって投球フォームを改善した投手は何人もいる。
時代とともに、この考え方が忘れ去られたこと、また昔の指導を知らない若い世代が私の発想を斬新だと受け止めたに過ぎないのだ。