川村卓筑波大学教授が、著書「最新科学で身につける!ピッチングバッティングの技術」で大谷翔平選手のバッティングについて解説されています。

大谷選手がどのような筋肉を使ってスイングしているかがわかります。
 
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最新科学で身につける!ピッチングバッティングの技術
最新科学で身につける!ピッチングバッティングの技術
※サンプルを読む・Kindle版あります
 
同書の12~13ページから一部を抜粋して紹介します。

大谷選手のバッティングフォームを可能にしている筋肉

 
以下の抜粋では「上の写真」とありますが、ここでは上の動画を参考にして下さい。

2023シーズンの大谷選手のバッティングを見ると、上の写真のようにそったようなスイングをしています。
 
頭がほとんど動かずにお尻周りやハムストリング、それから前側の筋肉を使うことでバットをやや下側から振り上げ、打球に角度がつく打ち方になっているのです。

このフォームを可能にしているのは、ポイントとなる筋肉が発達しているからです。

この姿勢が崩れないのは、体幹や背中側の筋肉を使って身体を支えられているからで、他の選手がこの打ち方をすると腰砕けのようになり、大谷選手のようにボールを飛ばすようなスイングはできません。
 
なんといってもこの点が大谷選手のテクニックでありバッティングスキルのすごいところです。

右脚の使い方も重要です。

そのような視点で見ると、一時期大谷選手はホームランが出ませんでした。
 
この時期は背中側に痺れがあるなど、コンディションの不調によって理想的なスイングができていないときで、大谷選手の特徴的な滞空時間の長い角度のついた打球が打てなかったのです。
 
また前足に着目すると、くさびのようにどっしりと地面に打ち込むことでそったような姿勢を保てるようにしています。
 
バランスが非常に取りづらいのですが、その微妙な加減ができるところも大谷選手のフィジカルの強さやスキルの高さを表しています。
 
バッター

大谷選手といえどこうした動きが最初からできていたわけではありません。

さらに内転筋や中殿筋をうまく使って体重移動をし、コンパクトに身体を回転させてボールに力を伝えることができています。
 
先ほども述べたフィジカルの強さと理想的なスイングの動きで、ホームラン王になるほどのバッティングが実現できるのです。
 
それほど素晴らしい動きであり、だからこそ「大谷選手がやっているから真似しよう」とはいえない部分でもあります。
 
真似ができないと書くと身も蓋もありませんが、大谷選手が昔から今のバッティングスキルを備えていたわけではありません。
 
地道かつ計画性のあるトレーニングによって、少しずつ身につけていったのです。

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