巨人軍の高橋尚成投手は、4月に月間MVPを獲得するなど、07年を好調にスタートしています。

その好調を支える要因のひとつは、06年のオフから始めた「鉄球トレーニング」です。

室伏選手「最後に鍛えるべきは指先」 それまではタブーだったトレーニング

この鉄球トレーニングは、公式球よりもひと回り小さいサイズで、重さ1kgの鉄球を地面に向かって投げるというものです。
 
このトレーニングを思いついたきっかけは、ハンマー投げの室伏選手による
 
「物を投げる競技で最後に鍛えるべきところは指先だ」
 
という発言です。高橋投手のトレーナー渡辺拓氏が、あるテレビ番組で目にしました。
 
渡辺氏は以前から鉄球トレーニングをする考えを持っていたのですが、これまでの日本球界では、投球に負荷をかけるトレーニングは「投球フォームを崩す」あるいは「肩や肘に負担をかけるのは危険」として避けられてきました。

しかし渡辺氏が05年に訪れたキューバでは、投球に負荷をかける練習は当然のように行われていたのです。
 
渡辺氏は「中米系の選手の球のキレがすごいのは、こういうことかと納得しました」と語っています。
 
帰国後さっそく高橋投手に鉄球トレーニングを打診しましたが、当初高橋投手は難色を示していたそうです。
 
それでも渡辺氏はキューバでの経験や、室伏選手の話など例を挙げて説得を続け、鉄球トレーニングは実現しました。
 
高橋投手の好投を見ると、鉄球トレーニングの効果はてきめんに表れているようです。

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