川村卓筑波大学教授が著書「最新科学で身につける!ピッチングバッティングの技術」で、大谷翔平選手のピッチングについて解説されています。

かつての大谷選手の投げ方にあった欠点を指摘されています。
 
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最新科学で身につける!ピッチングバッティングの技術
最新科学で身につける!ピッチングバッティングの技術
※サンプルを読む・Kindle版あります
 
同書の14~15ページから一部を抜粋して紹介します。

大谷選手のピッチング かつては足の踏み出しに課題

2021年に大谷選手の動きを研究した川村教授は、大谷選手のピッチングフォームに欠点を発見していました。

2021年に大谷選手の全三振と全ホームランのデータを分析した書籍「大谷翔平 2021年データブック」(日東書院)を執筆しました。
 
この際に下半身の使い方を指摘したのですが、現在の大谷選手はこの部分が非常に進化を遂げました。
 
具体的には、当時は踏み出した足の接地場所が一定でなかったり、踏み出し幅が不安定でした。
 
ところが2023シーズンは踏み出し足が安定し、軸足に体重を残したままスムーズに体重移動ができたり、それによってコンパクトな腕の振りができるようになっていました。
 
つまり下半身と上半身の動きがマッチしているために非常に安定したピッチングができ、現在が完成された状態だといえます。
 
ピッチャー

課題を克服したことで、決め球が大幅に増えました。

さらに大谷選手が素晴らしいところは、160km/hを超える速球が投げられるという前提があるからですが、その日のコンディションによって決め球を変えられる使い分け方です。
 
大谷選手の決め球にはスイーパーやスライダー、スプリットがありますが、相手チームのデータを理解した上で決め球を変えたり、自身のコンディションによって変えたりと、臨機応変かつ器用に変えることができます。
 
実はこれはピッチャーにとって難しいことですが、大谷選手はこの使い分けをすることでバッターの狙いを絞りにくくしています。
 
ただし、強いボールを投げるということは身体への負担が大きいといえます。
 
今後はより負担の少ない投げ方を追求していくことが必要になるでしょう。
 
ピッチャー

 
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