前ページからの続きです。

短距離を速く走るための体幹その他のトレーニング法を紹介します。
 
雑誌ターザン 2015年 11/12号(Amazon)の記事を参考にしています。
 
脚の動きが加わります。

STEP3 体幹×筋トレ

上体を安定させたまま股関節を大きく動かす力を身につける!
 
■股関節の可動域アップに繋がるエクササイズ
前ページSTEP0の基本姿勢で立った状態から両手を大きく横に広げる。
 
左脚を横に上げ、そのまま旋回させて前へ。膝か腰よりも高い位置まで上がることを目指す。
 
左右に広げた手が、常に地面と平行になるように注意する。
 
左右交互に計10回行う。
 
 
■小さなハードルをまたぐイメージで後ろ回しも!
前回しと同様に両手を広げる。片方の脚を横に上げ、今度は後ろ回しに旋回させる。
 
左右交互に計10回。
 
上体がぐらつくようなら、初めのうちは柱などに掴まって片側ずつ行ってもOK。少しずつ大きく回せるようにしていこう。
 
■股関節周辺を伸ばしながら下半身の筋力もアップ!
基本姿勢で立った状態から、1で片脚を前に、2で後ろに振って軸足の踵が地面から離れる程度に反動をつける。
 
3で脚を大きく前に出して腰を落とし足裏全体で着地する。3の振り上げのときに膝が腰の高さまで上がるのが理想。
 
1、2、3はできるだけリズミカルになるようにし、前に進みながら左右交互に各5回行う。
 
■自宅の廊下でも行える体幹を強化するワニ歩き
腕立て伏せの姿勢から片方の手を少し後ろに下げる。下げたほうの手と同じ側の脚をカラダの外側から旋回させながら前に出す。
 
後ろに残った脚を同じように前に出しながら、逆側の手を前に出す。
 
腰を上げずにできるだけ背中が地面と平行になるように注意しながらこれを繰り返して、ワニのような動きで前に進んでいく。
 
20m程度。
 
動きがだいぶ複雑になってきました。
 
できる範囲でやってみて下さい。
次のステップからは歩行動作が加わります。




STEP4 ウォーキング

スピーディーな走りに繋がる腰のローテーションを覚える。
 
■脚と同時に腰が前に出るイメージをつかむ
一本の線をイメージして、その上を大股で歩く。このとき、前の脚も後ろの脚も膝を伸ばす。
 
脚を前に出すときは、同じ側の骨盤も前に出るように腰を軽くひねる。
 
足裏が地面についたら腰がその上に乗るよう意識する。
10m×3セット
 
■クロスウォーキングで腰の動きをマスターせよ!
今度は一本の線を一歩ごとにまたぐように大股で歩く。ライン上を歩くときと同様に、前の脚も後ろの脚も膝を伸ばす。
 
自然と骨盤、腰の動きがより大きなものになるので、上体のバランスが崩れないように注意。
10m×3セット
 
このウォーキングなら通勤中にもできそうです。
(STEP3の「ワニ歩き」はちょっと無理ですが)
 
歩くスピードが上がります。




STEP5 速歩

腕の振りを加えてスピードをつけた速歩でフォームを固める。
 
STEP4のウォーキングで行った腰、骨盤の動きを意識したまま、大きな腕の振りを加え、スピードを上げて歩く。接地時に膝を伸ばすのも同様。
 
スピードが出ると動きが雑になるので、慣れるまではそれほど速度を上げなくてもよい。
 
頭の位置が上下動しないように注意する。
20m×5本
 
次はこれまでの動きの組み合わせです。




STEP6 ジョギング

STEP1のジャンプを5回ほどくりかえして、上の速歩をし、徐々にスピードを上げながらジョグに移行する。
 
速歩で行った腰の動きはジョグのときも意識する。接地時に膝がつぶれないようにし、頭の位置が上下に動かないように注意する。
 
物足りなければジョグを長めにしてもよい。
合計50m×5本
 
次がラストです。
 
STEP7 6~7割程度の力で流して気持ちよく練習終了
仕上げでも全力疾走は必要ありません。
 
STEP4のウォーキングで意識した動きを確認しながら、6~7割の力で50~80mほどの距離を流す。
 
ここまでのステップで入念に走りのための動作練習を行っているので、力まずともスピーディーに気持ち良く走れるはず!
 
最後に、安井コーチの解説を紹介しておきます。
 
着地の瞬間に体幹を固めて蹴り足が地面からの反発を受ける。でも逆の脚は力まずに、その反動を使ってムチのようにビュンと前に伸びるようなイメージです。
 
その脚の動きを練習するのが、step4のウォーキング。
 
着地の衝撃を効率よく推進力に変えるための、腰、骨盤、股関節の動きを覚えるためのものです。
 
これがスムーズにできるようになれば、確実にタイムは良くなります
 
ここで紹介したメニューを、週に2回実践すれば、一度もダッシュすることなく、スプリント能力を向上させられます。
 
ぜひ試してみて下さい。
 
このコンテンツは雑誌「ターザン」2015年11/12号(Amazon)32~33ページを参考にしました。記事では写真付きで解説されています。より理解を深める参考にして下さい。